2000 Fiscal Year Annual Research Report
炭素系電界放射材料のプラズマ合成とナノエミッション特性
Project/Area Number |
11450271
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉村 博之 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10293656)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 泰志 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (10252264)
高井 治 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40110712)
|
Keywords | ダイヤモンド / 窒化欄素 / ダイヤモンド状炭素 / 電界放射 / 微細加工 / プラズマ合成 / 電流計測 / 走査型プローブ顕微鏡 |
Research Abstract |
(1)電界放射特性計測システムの改良 初年度に作製した電界放射電流測定システムを改良した。 まず、真空排気系を改造し、その結果、いままでより一桁以上の真空度を達成し、より清浄な環境での測定が可能になった。 さらに、計測プログラムを作成し、自動計測によって人為的な誤差の入る余地を省いた。 その結果、計測の精度・再現性を著しく向上させることができた。 (2)窒化炭素薄膜の電界放射特性 改良した計測システムを試作し、プラズマ合成法により作製した非晶質窒化炭素膜の電界放射特性を評価した。その結果、電界放射特性が、窒素濃度、窒素の存在形態、膜厚に依存することを明らかにした。 窒素濃度が増加すると、敷居値電界が低くなり、かつ最大電流密度が向上した。また、窒素の存在形態は重要であり、X線光電子分光で400eV付近にNlsピークを有する窒素成分が、窒化炭素膜の良好な電界放射の原因であることをあきらかにした。この成分は、高硬度窒化炭素膜にも多量に含まれており、いままでに知られていなかった新しい窒化炭素である可能性がある。さらに、膜厚約40nmが最適膜厚であることも見いだした。 (3)電流同時AFMによる窒化炭素膜のミクロ構造評価 走査型プローブ顕微鏡によって、窒化炭素膜の局所的な電気物性を評価した。窒化炭素膜は、ナノメートルレベルで見ると不均一であることが明らかになり、電界放射における局所的な放射サイトの存在が推測できる。
|
Research Products
(1 results)