Research Abstract |
本研究は,超高温金属表面に衝突する液滴やラミナー流が,ライデンフロスト点以上の表面に接触したときの固液界面の複雑な現象を,計算力学的観点から検討を加えたものである。先ず,高温表面に衝突する液滴の挙動を考えるとき,非常に重要な因子はウェーバー数Weと呼ばれる無次元量である。これは,表面張力に対する慣性力の比に対応し,液滴の衝突エネルギーに関連する。Weが小さいと,衝突後,円盤状に広がり,最大径に達すると,表面張力の効果により,衝突前には,球状の液滴が縦長のボーリングのピンのような形態に変形し,高温平面から跳ね上がることが実験的かつ理論的な観点から確認できた。また,Weがある値を越えると,液滴が変形途中で割れることが確認され,割れるか割れないかの境界のWeが存在することが分かった。それを第一臨界We数と名づけ,We_<cri1>と書くことにする。We_<cri1>より大きいWeのときには,液滴は変形途中で必ずいくつかに割れるが,割れた小液滴が衝突点の方向に向って,それらが再び一体となる場合と,衝突点と逆の方向に飛び去ってしまう場合があることを実験的に見出した。その境界のWeを第二臨界We数と名づけ,それをWe_<cri2>と書くことにする。つまり,We_<cri1><We<We_<cri2>のときには,変形中の液滴はリコイルの過程で,いくつかの小液滴に分裂し,We_<cri2><Weのと拡大過程で小液滴に分裂し,四方八方に飛び去って行くことが確認できた。 つぎに,高温金属表面にラミナー流を衝突させた場合には,ブラックゾーンが形成される。これは衝突点から表面と液体が濡れ現象が起きていることを示している。濡れ領域は時間とともに拡大し,濡れ領域の際で沸騰している。これらのことの関する詳細は,全て論文にしているにで,研究成果報告書を参照されたい。
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