2000 Fiscal Year Annual Research Report
積層圧延法と窒化の複合プロセスによる金属/鉄窒化物多層材料の作製とその物性
Project/Area Number |
11450277
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF SHIGA PREFECTURE |
Principal Investigator |
菊池 潮美 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (70026326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮村 弘 滋賀県立大学, 工学部, 助教授 (90275165)
真崎 直子 応用科学研究所, 第一研究室, 研究員 (40280672)
桑原 秀行 応用科学研究所, 第一研究室, 室長 (90132795)
長江 正寛 岡山大学, 大学院・自然科学研究所, 助手 (60304341)
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Keywords | 積層材料 / 積層圧延 / 窒化 / 鉄窒化物 / 結晶配向 / 磁気抵抗 / ナノ材料 / 結晶構造 |
Research Abstract |
Ag箔とFe箔を交互に積層して拡散接合後、冷間圧延し、この圧延した板をさらに積層し、再び拡散接合させ圧延する。この過程を繰り返すことによって積層間隔がナノメーター・オーダーの超積層材を作製した。このAg/Fe超積層材の構造について、X線回折、電子顕微鏡、メスバウアー分光などにより積層組織と積層界面の状態について明らかにした。この結果、AgとFeを交互に積層した場合、積層界面においてAg原子とFe原子はお互いに固溶することなくAg層とFe層は完全に2相分離した状態であることが明らかになった。また、積層構造の熱的安定性について検討した結果、500℃において積層構造はなお安定であることが認められた。積層組織の結晶配向性を調べた結果、Ag層がFe層の結晶配向性によって影響され、アニール温度を制御することによってFeの圧延集合組織である{100}<011>をそのまま残して、Ag層の集合組織が通常の圧延再結晶では得られない立方体集合組織{100}<001>を得ることができ、これはAg層とFe層の界面において原子配列のミスフィットを最小にする結果であることを明らかにした。 このAg/Fe超積層材料をプラズマおよびガスで窒化し、Fe層のみを窒化する方法を考案した。その結果、積層材料の内部まで窒化できる条件を調べ、Ag/Fe-nitridesの超積層材料を作製できることを明らかにした。そして、形成されたFe窒化物の種類についてX線回折で同定を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Yoshioka,M.Yasuda,H.Miyamura,S.Kikuchi,K.Tokomitsu: "Structure of Ag/Fe Super-Laminates Fabricated by Repeated Rolling"ISMANAM-2001. (予定). (2001)
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[Publications] 吉岡忠彦,菊池潮美,宮村弘,安田光伸,徳満和人: "Ag/Fe超積層材料のメスバウアー測定による構造解析"日本金属学会春期大会講演概要集. (予定). (2001)
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[Publications] S.Kikochi,N.Nague,K.Kbirose,M.Mazaki and H.Kowahara: "Fabrication of Ag/Fe-nitrides Super-laminates using Foil Metallurgy and Nitriding Process"Proceedings of 2000 Poweder Metallurgy World Congress. No.2. 1673-1676 (2000)
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[Publications] 菊池潮美: "繰り返し塑性加工による組織微細化と高強度化"塑性と加工. 40・466. 1016-1021 (1999)
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[Publications] 菊池潮美,宮村弘,塩見智喜,桑原秀行,間崎直子: "Ag-Fe超積層材料の窒化処理と組織"日本金属学会講演概要(第124回). 378 (1999)