2000 Fiscal Year Annual Research Report
シリカの炭素熱還元反応における生成シリコンへの不純物移行過程に関する基礎研究
Project/Area Number |
11450281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平沢 政広 東北大学, 素材工学研究所, 教授 (90126897)
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Keywords | サブオキサイド / 蒸発 / 速度論 / 石炭灰 / 一酸化ケイ素 |
Research Abstract |
本研究は,不純物を含むSiO_2の還元過程における不純物元素の挙動をプロセス工学的,速度論的に明らかにすることを目的とする.本年度の研究実施計画では,SiO_2の炭素熱還元時のSiO生成の速度論,およびSiO_2中不純物元素の気相への移動の速度論に関する実験,および,SiOの精製に関する実験を予定しており,この研究計画に従って研究を進めた.まず,不純物を含有するSiO_2の炭素熱還元の速度論的実験において,K_2Oを含有するSiO_2について検討した.1800℃において,還元反応により生成するガス成分を低温のゲッターを用いて凝縮させ,反応時間と凝縮物の組成と量,るつぼ内の残留物の組成と量の関係を調べ,以下の結果を得た.(1)SiO生成の総括反応を推定し,その反応速度式を検討した.(2)ゲッター表面での凝縮時には,SiOの一部はCOとの逆反応によりSiO_2として凝縮する.(3)SiO_2中のK_2OはC還元により元素状のKとしてSiOの生成に優先して蒸発し,ゲッターではCOとの逆反応によりK_2Oとして凝縮し,SiO2中から除去される.(4)SiO_2中Kの減少速度について速度論的に検討し,律速機構を推定した.一方,SiOの精製についての実験では,模擬石炭灰組成の溶融酸化物とCの反応により生成するSiOおよび各種金属元素,サブオキサイドガスの温度勾配のもとでの凝縮挙動について1800℃での実験を行った.その結果,本研究の条件下でのSiO_2-Al_2O_3-CaO系酸化物の炭素熱還元では,生成したSiOは1600〜1200℃の温度域で凝縮し,その組成は,ほぼ100%のSiO_2であることがわかった.次年度以降は,さらに,模擬石炭灰中のいくつかの微量含有元素の還元挙動についての検討を継続し,サブオキサイドSiOの精製プロセスについての基礎データを得る予定である.
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