2000 Fiscal Year Annual Research Report
リチウム金属負極上のデンドライト成長に伴なうLi^+イオン濃度分布の測定
Project/Area Number |
11450285
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福中 康博 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (60111936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 英史 京都大学, エネルギー科学研究科, 助手 (60234415)
石井 隆次 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20026339)
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Keywords | リチウム電池 / リチウム金属負極 / デンドライト成長 / Li^+イオン濃度分布 / ホログラフィック干渉計 / 連結性 |
Research Abstract |
1)研究の背景 地球環境問題や電気自動車の開発といった観点からリチウム金属負極二次電池の開発が切望されているが、充放電の繰り返しによりリチウムのデンドライト成長が生じて、電池の可逆性が失われてしまう。このLi金属負極上のデンドライト成長機構が理解できて、その成長を抑制することができればリチウム二次電池開発に大きなステップとなる。 2.方法 LiClO_4-PC溶液中に垂直に設置したLi金属陰極上へのLi電析に伴うLi^+イオンの濃度分布をホログラフィー干渉計測し、電流密度(0.5〜5.0mA/cm^2)、電解液濃度(0.25〜2.0M)の違いによって干渉縞がどのように経時変化するかを比較し、電極表面濃度、および濃度境界層厚さを測定した。これらの結果を水溶液系でのCuの電析に伴うCu^+イオンの移動速度の測定結果とも比較検討している。 3.結果 ホログラフィック干渉計測の結果、濃度境界層の形成は電解開始後、直ちには始まらず、電流蜜度の増加に伴い濃度境界層の形成が早く始まることが観測された。一方、水溶液系でのCuの電析では電流密度によらず電析開始とともに濃度境界層がt^<1/2>に比例して成長することが観察された。Li表面に形成されていると考えられるSEI皮膜の影響によるものと推測される。 表面濃度は非定常拡散方程式の解で説明できるような経時変化をした後一定値で定常に達する。電析に伴う電解液の密度変化に起因した自然対流が誘起されるためと考えられる。CCDカメラにより電極表面に沿って対流が観測された。しかしながら、表面濃度差や濃度境界層厚さの電流密度依存性やLiClO_4濃度依存性を確認することは出来なかった。陰極表面に析出するLi金属のデンドライト成長により流動状態が乱されることにその原因があると考えられる。
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Research Products
(1 results)