2001 Fiscal Year Annual Research Report
化学的機械研磨(CMP)プロセスにおける微粒子ダイナミクスの解明
Project/Area Number |
11450288
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寳澤 光紀 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70005338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 正樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50323069)
塚田 隆夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (10171969)
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Keywords | CMP / 微粒子ダイナミクス / ポリスチレン粒子 / 数値シミュレーシュン / 修正離散要素法 / その場観察 / レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing,以下CMP)は、デバイスウエハをナノスケール精度で平坦化する新規研磨技術として注目を集めている。しかし、大半の研究は機械的要因に着目しており、化学的要因、中でもスラリー中の微粒子のダイナミクスが研磨に及ぼす影響に関しては、研究例は僅少である。本研究では、CMPにおける微粒子のダイナミクスと研磨機構との関連を解明することを目指し、その基礎研究として、狭壁面間に形成されたせん断流中の微粒子の凝集過程に関し、流体力学的及びコロイド化学的相互作用を考慮した微粒子凝集状態に関する数値シミュレーションを行うとともに、レーザー顕微鏡によるその場観察を試みた。 本年度は、以下の点を明らかにした。 1)理論的検討 昨年度に引き続き、水中の直径2μmのポリスチレン粒子を想定し、粒子の凝集挙動に及ぼす壁面間隔d_w/α(=5(8160)1630,d_w:壁面間隔,α:粒子半径)、表面電位φ_p(=-30(8160)1620mV)及び壁面電位φ_w(=-100(8160)16100mV)の影響について検討した。特に本年度は、粒子の壁面への付着挙動(全粒子に対する壁面付着粒子の割合:r_w)について検討した。結果として、本研究の条件範囲では、a)d_w/α(3C)165ではr_w=1(全粒子が壁面に付着),d_w/α(3E)1615ではr_wはほぼ0.4一定となる。b)φ_p(3C)1610mVではr_w=0であるが、φ_p=10mVでr_wは急激に増大し、1に達する。c)-50mV(3C)16φ_w(3C)160mVにおいて、r_w=0、即ち壁面への粒子の付着は認められない。なお、以上の結果は、粒子-粒子間並びに粒子-壁面間相互作用力の大小関係を考慮することにより説明できた。 2)実験的検討 昨年度に引き続き、シリコンウエハとガラス平板の間の狭壁面間に形成されたせん断水流中のポリスチレン粒子(直径2μm)の凝集挙動に及ぼす壁面間隔及びせん断速度の影響を、レーザー顕微鏡によるその場観察により検討した。結果として、壁面間隔の減少並びにせん断速度の増加に伴い、凝集体サイズが小さくなることを明らかにした。
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