1999 Fiscal Year Annual Research Report
アフィニティクロマト分離の原理を応用した高度不飽和脂肪酸の分離精製
Project/Area Number |
11450300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北村 吉朗 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (90032945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澤 秀和 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (20244262)
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Keywords | 高分子微粒子 / ミクロスフィア / 高度不飽和脂肪酸 / 物質分離 / クロマト分離 / 銀イオン / イオン交換 / 吸着 |
Research Abstract |
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの高度不飽和脂肪酸は、抗癌作用・抗血栓作用や痴呆症の防止など薬理活性を有していることが報告されている。これらの脂肪酸は、天然の油脂中に炭素数や不飽和度の異なる多くの成分とともに混在しており、多成分混合物から目的成分を有効に分離する手法の開発が必要である。しかしながら、これらの天然物を構成する多成分脂肪酸に対する実用的な分離法は未だ確立されていない。 そこで本研究では、クロマト分離による高度不飽和脂肪酸の分離プロセスに焦点を当て、充填剤として銀イオンを固定化した高分子微粒子を開発することで脂肪酸の二重結合と銀イオンのπ錯体形成に基づく実用的な分離技術の開発を計画した。本年度は、高度不飽和脂肪酸のクロマト分離に用いる高分子微粒子の調製プロセスの確立に重点をおき、検討を行った。 モノマーとしてスチレンおよびエポキシ基を有するメタクリル酸グリシジル(GMA)を使用し、これらモノマーの仕込みモル比を変化させて実験を行った。分散相としてモノマーに重合開始剤を加えた溶液を、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウムを溶解させたポリビニルアルコール水溶液を連続相として用いた。これら2液からO/Wエマルションを調製し、その後、懸濁重合法により10μm-1OOμm程度の高分子微粒子を調製した。第2ステップとして、高分子微粒子表面に出現したGMA中のエポキシ基をイミノ二酢酸で開裂させカルボキシル基を導入することによって銀イオンを固定化する場を構築した。イミノ二酢酸の高分子微粒子への導入はFT-IRによって確認した。その後、高分子微粒子を種々の濃度に調整した硝酸銀水溶液に分散させ、銀イオンの吸着平衡実験を行った。その結果、銀イオンは本実験で調製した高分子微粒子に吸着することを明らかにした。
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