1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450360
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堤 耀広 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80000884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 文明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30001308)
平沖 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10125346)
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Keywords | ゾル-ゲル転移 / 多糖水溶液 / ジェランガム / 金属イオンとの相互作用 / DSC / マンガンイオンのESR / ^<13>C NMR / 分子運動 |
Research Abstract |
本研究では多糖水溶液系物理ゲルを対象とし、金属カチオン添加によるゲル化促進のメカニズムを解明することを目的としている。高機能性を示すことで知られるゲランガム水溶液の DSC、ESR、C^<13>C-NMR測定によるこれまでの結果は以下の通りである。 1.DSC測定 カチオン無添加溶液でのダブルヘリックスーランダムコイル転移に伴う35℃付近の吸熱ピークは一価カチオン(K^+)添加により高温側に移動、更に、高温側に複数の小ピークが現れた。また、二荷カチオン(Ca^<2+>,Mn^<2+>)添加では、35℃ピーク位置は変わらないが高濃度添加で、ピークの消失、高温側でのブロードなピークの出現などが生じた。 2.ESR測定 金属イオンの挙動を直接観測するため常磁性のMn^<2+>を添加しESR測定を行った。系には、ゲランと非結合、弱い結合、強い結合の3状態のMn^<2+>が存在した。また、スペクトル強度は特徴的な3つのステップ(ゾル、部分的架橋、ゲル)を経て増加した。各ステップでのMn^<2+>の3状態濃度はゲラン濃度と一定の関係にあった。等の新知見が得られた。 3.^<13>C-NMR測定 ゲル化に伴う形態、分子運動変化を^<13>C-NMRにより観測した。ゲル化温度で(40℃)スペクトルは急激にブロードになり、ピーク強度が減少した。T_1(^<13>)の温度依存性から、ゲル状態では相関時間の分布が広くなることが分かった。しかし、化学シフトにはゲル化による急激な変化が見られないのが特徴である。一方、金属イオン濃度を高くするとリング炭素付近に新たなピークが幾つか出現した。これは、DSC高温域でのブロードなピークの出現にも対応している。これらの現象は金属イオンによる新たな分子形態の形成を意味しており今後の主要な検討課題である。 4.その他関連する予備実験として2, 3の合成高分子のT_1(NMR)測定を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A. Tsutsumi: "Electron Spin Resonance Study on the Sol-Gel Transition of Gellan Gum Aqueous Solution by the Addition of Paramagnetic Metal-Ions"Progr. Colloid Polym. Sci.. 114. 31-35 (1999)
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[Publications] Motoi Okada: "Electron Spin Resonance of Hydrated Mn(II) in Gellan Gum Aqueous Solution"Rept. Progr. Polym. Phys. Jpn.. 42. 475-476 (1999)
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[Publications] Shinichi Yamazaki: "^<13>C NMR Relaxation of Poly(t-butyl cronate) in Solution. Effects of β-Substitution on Local Chain Motions"Polym. J.. 31・6. 542-549 (1999)
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[Publications] Shinichi Yamazaki: "^<13>C NMR Relaxation of iso-Poly(2-vinylpyridine chloride) in Aqueous Solution. Effects of Electrostatic Interactions on Local Chain Dynamics"Polym. J.. 31・7. 614-620 (1999)
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[Publications] Shinichi Yamazaki: "^<13>C NMR Relaxation of Poly(acrylic acid) in Aqueous Solution. Effects of Charge Density on Local Chain Motions"Polym. J.. 32・1. 87-89 (2000)