1999 Fiscal Year Annual Research Report
異種ブロック共重合体間の会合体形成とブロック間会合のループ・ブリッジ結合の制御
Project/Area Number |
11450364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野瀬 卓平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 克弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80232578)
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Keywords | ジブロック共重合体 / トリブロック共重合体 / 会合 / 共ミセル / 選択溶媒 / ゲル |
Research Abstract |
本研究は、ジブロック共重合体A-B,C-Bの異種ブロックAとCが異種ブロック混合コアによる「共ミセル」形成する条件を調べ、さらにA-B-C三元ブロック共重合体の会合挙動をみることによりループ・ブリッジ結合の制御を試みることを目的とする。A,B,Cブロックとしてそれぞれポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリブチルメタクリレート(PtBMA)、およびポリスチレン(PS)を用いた。選択溶媒としてはBブロックであるPtBMAに対して選択的溶媒であるブタノール、ペンタノール、ヘキサノールを選び、A-B、B-C、A-B-Cの3つの共重合体について光散乱によりそれぞれの溶液系の会合挙動を温度の関数として調べた。その結果、(1)ブタノール系ではPMM-b-PtBM,PtBM-b-PSとも常温でミセルを形成することが明らかとなったが、PMM-b-PtBMではミセル形成開始の前駆段階で微量ではあるが巨大会合体の形成(「異常ミセル化」が観測された。(2)ヘキサノール溶媒中では両ジブロック共重合体とも40℃付近に臨界ミセル温度をもち低温側でミセル領域をもつことが明らかとなった。また、ヘキサノール中では異常な会合挙動は見られなかった。(3)A-B-C共重合体においては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールいずれの溶媒においても80-90℃付近より低温側で会合体が形成される。さらに、どの溶媒中においても、55-60℃以下の温度では大小2種類の会合体が形成されることが明らかとなった。一方、希薄溶液から濃厚領域にわたって濃度変化させたときの会合挙動を調べるために行う粘弾性装置の設置・調整を行った。さらにその測定中での試料からの溶媒蒸発を防ぐ新たな試料カバーを作成し、その試験を行った。
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