2000 Fiscal Year Annual Research Report
異種ブロック共重合体間の会合体形成とブロック間会合のループ・ブリッジ結合の制御
Project/Area Number |
11450364
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
野瀬 卓平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20016405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 克弘 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80232578)
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Keywords | トリブロック共重合体 / 会合 / 光散乱 / 粘弾性 / レオロジー特性 / ゲル |
Research Abstract |
本研究は、異種ブロックAとCが異種ブロック混合コアによる「共ミセル」形成するか否かの両可能性をもったA-B-C三元ブロック共重合体の会合挙動をみることによりループ・ブリッジ結合の制御を試みることを目的とする。A,B,Cブロックとしてそれぞれポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリ(t-ブチルメタクリレート)(PtBMA)、およびポリスチレン(PS)を用いた。選択溶媒としてはBブロックであるPtBMAに対して選択的溶媒である1-ブタノールを用いA-B-A、A-B-Cの2つの共重合体について光散乱および線形粘弾性・レオロジー特性の測定を行いそれぞれの溶液系の会合挙動を調べた。その結果、(1)PMM-b-PtBM-b-PMMA(A-B-A型)の準希薄溶液では、希薄溶液で会合を形成する温度でゲル化し、そのゲル化は典型的熱可逆性ゲルの挙動をすることが明らかとなった。(2)PMMA-b-PtBM-b-PS(A-B-C型)の希薄溶液では、100℃より降温すると、まずPSをコアとするミセルを形成し、ついで50℃付近よりPS、PMMAが共通のコアをもちPtBMA鎖がループ状となったミセルを形成することが推測された。(3)この系の準希薄溶液では、50℃付近で網目構造を形成し始め、室温ではゲルとなることが分かった。さらにこのゲルに定常ずり変形を加えると会合の再編成が起こり、ループ・ブリッジに変化が生ずることが示唆された。また、徐冷試料においても室温で会合の進行が粘弾性挙動で観測され、急冷試料ではより顕著に会合構造の時間変化が観測された。この熱履歴依存性は定常ずり変形による会合の再編成と競合して複雑な応力緩和が観測されることも明らかとなった。
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[Publications] Fukumine,Y.,Inomata,K.,Takano,A.and Nose,T.: "Micellization behavior of diblock copolymers in solution near the critical micelle temperature"Polymer. 41. 5367-5374 (2000)