1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450377
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
麻生 茂 九州大学, 工学研究科, 教授 (40150495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
利光 和彦 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10180150)
木原 尚 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60243911)
西田 迪雄 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10025968)
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Keywords | 解離反応 / 空力加熱 / 乱流熱伝達モデル / 衝撃波 / フリーピストン衝撃波管 / 衝撃風洞 / 高エンタルピー流 / 高温化学反応 |
Research Abstract |
今年度は、解離反応を伴う空力加熱場の乱流熱伝達モデルの研究にむけて3つのサブテーマで研究を行った。第一に、フリーピストン衝撃波管を製作し、250気圧から500気圧までの高圧を発生できる圧縮管の動作特性の把握、その圧縮を受けて強い衝撃波を発生させる際の金属製隔膜の破膜特性の把握、その結果生じた強い衝撃波の管端での反射によって生じる高温高圧気体の特性を把握した。その結果、圧縮管において適用した理論値に補正を加えると圧縮管管端で実現しうる高圧がかなり正確に予測できることを明らかにした。また、金属製隔膜の破膜特性については、アルミニウム製の膜については破膜圧力と予め入れておいた溝の深さとに線形的な関係が見いだされ、今後必要とする破膜圧を得るのに貴重なデータを得た。また、強い衝撃波の発生については、低圧管の初期圧力が低い場合には衝撃波マッハ数15を達成することができた。また、できるだけ低圧管管端で衝撃波圧縮した場合に空気を解離させないような高圧モードでの作動を行ったところある程度の衝撃波マッハ数を得ることができ、これについては圧縮管の圧力をさらに強めることで達成できる見通しを得た。第二に、化学的非平衡現象を伴う衝撃波による非定常空力加熱現象について数値計算を行い、高温化学反応の衝撃波誘起空力加熱現象に及ぼす影響について新しい知見を得た。第三に、高速流中にある物体上に発達した境界層上に衝撃波が入射して生じる衝撃波-境界層干渉における空力加熱現象を化学的非平衡を考慮して数値計算を行った。その結果、壁面の触媒性により空力加熱率が著しく違うこと、非平衡性が増すにつれて剥離域の大きさ、熱流束と圧力の関係が異なるなどの知見を得た。 以上、今年度の研究課題は当初計画していた内容をほぼ達成できたが、また研究の過程で新たな知見、現象が見いだされ実りあるものであった。来年度は本研究の最終年度にあたるので今年度の成果をふまえ、さらに新しい事実の発見に向けて研究を推進している所存である。
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[Publications] Akira MATUMOTO and Shigeru ASO: "A Study on shock Wave/Boundary Layer Intorabtion Phonomena with Chemically Nonequilibrium"Proceedings of JSASS 13th Int. Sessions of 37th Aircraft SYMposium,held at Tokyo. 647-650 (1999)
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[Publications] Shigeru ASO: "Experimental and Computational Studies on Aerodynamic Heating Phenomena for High Speed Flight"Proceedings of the 4th International Joint Symposium between Kyusyu University and ChungnamNational University,held at Kyusyu University,JAPAN. (in press). (1999)
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[Publications] 松本 彰,麻生 茂,鈴木 保夫,森岡 敏博,本間 弘樹: "斜面による強い衝撃波の反射過程の数値計算"九州大学工学部集報. 72・6. 687-694 (1999)
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[Publications] 松本 彰,麻生 茂,鈴木 保夫,森岡 敏博,本間 弘樹: "解離反応を含む強い衝撃波反射の実験と数値計算"日本流体力学会年会講演会講演集. 109-110 (1999)
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[Publications] 松本 彰,麻生 茂: "衝撃波-境界層干渉場における非平衡性の影響"第31回流体力学講演会講演集. 13-16 (1999)
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[Publications] 松本 彰,麻生 茂,鈴木 保夫,森岡 敏博,本間 弘樹: "強い衝撃波の実験と数値検証実験"第31回流体力学講演会講演集. 253-256 (1999)