2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450384
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新開 明二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10112301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悟 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (00253542)
井関 俊夫 東京商船大学, 商船学部, 助教授 (70212959)
梶原 宏之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30114862)
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Keywords | シーマージン / 確率論 / プロペラレーシング / 甲板冠水 / 衛星情報 / 波浪発現確率 / 船体運動 / 小型高速艇 |
Research Abstract |
本研究では、シーマージンに寄与する要因の一つである"季節(風、波)影響"についてシーマージンを船速低下の形で表現した場合の推定法を確率論の立場から合理的な解釈に基づいて提案することを目的としている。特に、意識的減速に焦点をあて、その推定法について短期不規則波浪海面ならびに長期予測法のアルゴリズムを純確率論的に改良し、その成果にもとづいて、基本設計段階での航海速力推定精度を向上させ、船の性能保証に際して有力な判定ツールを提供する。 研究3年目で最終年度である今回は、初年度ならびに2年度の成果に基づいて、統計変動量のあるレベルを超える持続時間推定式を適用し、甲板冠水予測法、プロペラレーシング予測法などのアルゴリズムの汎用化を図り、シーマージンの確率論的推定法の構築に向けての有用な知見を得た。まず、統計学基礎理論に基づき、統計変動量のあるレベルを超える持続時間の推定式として理論的に誘導された式を甲板冠水の現象ならびにプロペラレーシングの現象へ適用して、その結果をシーマージン推定法のアルゴリズムに組み込んだ。初年度ならびに2年度に引き続き、対象船型として、150mの多軸コンテナ船等を採用しシリーズ計算を実施した。また、人工衛星長期波浪データベースを利用して、長期予測計算を実施した。さらに、推定式の精度を検証確認するために、小型高速艇による実船試験を追加実施した。 最終年度における研究の重点は、初年度ならびに2年度における研究成果の検証確認を行なうことにあり、ほぼ初期の目標を達成できたが、甲板冠水予測法とプロペラレーシング予測法のアルゴリズムを融合するプロセスが複雑となりすぎて、シーマージン推定の従来法による結果と比較し大幅な改善を達成できたとは言えない。アルゴリズムの合理的な融合法を検討することが今後の課題であると思われる。研究最終年度として、3年間における研究成果をまとめ、研究を完了する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 松尾宏平: "衛星ERSのレーダー波高計による海面の観測に関する研究-衛星波浪情報データベース作成の一試み-"西部造船会会報. 第102号. 45-53 (2001)
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[Publications] 朴 鐘憲: "荒海を航行する船のプロペラレーシング推定に関する研究"西部造船会会報. 第102号. 141-150 (2001)
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[Publications] 新開明二: "限定近海船の乾舷規定の新設定に対する一評価"西部造船会会報. 第103号. 173-184 (2002)