1999 Fiscal Year Annual Research Report
硫化物鉱床における金の存在状態とプロセス・ミネラロジー
Project/Area Number |
11450391
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
米田 哲朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00002056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広吉 直樹 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50250486)
平島 剛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00175556)
恒川 昌美 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40002026)
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Keywords | 斑岩銅鉱床 / 硫化物鉱石 / 金の存在状態 / 金回収 / 微量化学分析 / SIMS |
Research Abstract |
硫化物鉱床中の金の存在状態に対応した有効な分離回収方法を構築するためには,鉱石中の金の賦存特性と分離選別プロセスにおける挙動を明らかにする必要がある。本研究では,金の最適分離回収システムの開発に対する指針を明らかにすることを目的に,大規模斑岩銅鉱床であるイランのサーチェスメ鉱床の硫化物鉱石を事例研究としてとりあげた。 本年度は,鉱石試料に対し鉱物分離を系統的に行い,バルク試料および分離試料について,各種分析機器を用いて鉱物組成・共生関係を明らかにするとともに金鉱物の存在状態を詳細に調べた。同時に,ICP発光分光分析装置などにより微量化学分析を行い,金および共存元素の存在量と挙動を明らかにした。さらに,二次イオン質量分析計(SIMS)により,黄銅鉱,黄鉄鉱の微量金の定性分析を行った。その結果以下に示すような硫化物鉱石中の金の存在状態に関する新たな知見が得られた。 (1)硫化物鉱石中の金の存在状態として,visible,invisible,encapsulated の三形態で存在することが明らかにされた。visible な金粒子は銅・モリブデン精鉱および尾鉱中に認められた。とくに尾鉱中には少なからぬ量の金が黄鉄鉱中に存在することが明らかにされた。また,SIMSによる定性分析の結果,黄銅鉱および黄鉄鉱中の invisible な金が不均質に含まれることが判明した。さらに,脈石鉱物の石英中に取り込まれている encapsulated な金が微量に存在することが見出された。 (2)微量化学分析の結果,サーチェスメ鉱床の硫化物鉱石は,斑岩銅鉱床のなかで低金品位タイプであることが示された。また,金品位と銅品位に相関が認められ,さらにそれらと(Ca+K)/Ca比あるいはRb/Srとの間に強い相関があることが示された。サーチェスメ鉱床における金の分布の特徴が明らかにされた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M. M. Salari: "Micro-Beam Analysis of Gold Occurrence in Sar Chesmeh Flotation Tailing"Proc.5th Int. Symp. East Asian Recycling Technology. 254-260 (1999)
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[Publications] M. M. Salari: "Mill Performance at Sar Chesmeh Porphyry Copper Mine with Special Reference to the Distribution of Gold in the Mill Products"Resources Process. 46. 123-135 (1999)
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[Publications] M. M. Salari: "Gold Occurrence in the Sar Chesmeh Porphyry Ore and its Behavior During Benefication"Proc. Copper99-Cobre99 Inter.Conf.. 2. 129-143 (1999)