1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千田 佶 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 聡 株式会社 堀場製作所, 開発センター, 技術員(研究職)
須藤 孝一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90291252)
井上 千弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30271878)
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Keywords | MEOR / 移動現象 / 光走査型化学顕微鏡 / 石油貯留層 / 増殖 / pHイメージング |
Research Abstract |
本研究は,油層内における微生物の挙動を微視的にとらえ,その挙動を数学的に解析する手法を確立する事を目的とするものである。本年度はその第一段階として,光走査型化学顕微鏡を用いて,模擬油層となる充填層内における微生物の挙動の測定およびその評価を行った。以下に,結果をまとめる。 1.光走査型化学顕微鏡の測定セル内に,粒径0.1〜1mmの珪砂を用いた充填層を作成し,乳酸水溶液を入れ,充填層内におけるプロトンの拡散実験を行った。その結果,充填層内における二次元の有限領域内における物質移動を定量することができた。 2.上記の充填層に運動性のない乳酸菌(Lactobacillus属)の懸濁液を入れ,乳酸菌の生成する乳酸による充填層内のpHの変化および物質移動を,光走査型化学顕微鏡により測定した。その結果,乳酸の生成によるpHの変化は,充填粒子の小さい方が大きくなることが示された。それは,充填粒子の小さい場合の方が,乳酸菌の活動が活発であることを意味する。 3.同じ微生物を用いた培養実験において,試験管内に充填粒子を詰めた場合と,液体培養では,充填粒子のある方が微生物の増殖量が大きくなることがわかった。この結果は,上記2.の結果を補完するものである。 4.上記の結果をふまえ,2次元充填層における微生物の増殖および移動を表現する数学モデルを作成した。本モデルは,微生物の挙動を良く表しうることを確認した。
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[Publications] 野村聡: "pHイメージングを用いる多孔質体内におけるプロトン拡散挙動の観察"分析化学. 48・8. 763-769 (1999)
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[Publications] 楊延国: "多孔質体内におけるバクテリア増殖挙動の不均一性"平成11年度石油技術協会 春季講演会要旨集. 138 (1999)
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[Publications] S.Nomura: "Application of pH-Imaging Microscope to the Observation of Proton Transport in Porous Media"Proceedings of the Pittsburgh Conference on Anolytical Chemistry and Appplled Spectroscopy. (in press). (2000)