• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2001 Fiscal Year Annual Research Report

水ストレス下での光合成制御に関わる葉と根のコミュニケーション機構

Research Project

Project/Area Number 11460007
Research InstitutionTokyo University of Agriculture and Technology

Principal Investigator

平沢 正  東京農工大学, 農学部, 教授 (30015119)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大川 泰一郎  東京農工大学, 農学部, 助教授 (80213643)
Keywordsイネ / 光合成 / 窒素含量 / 窒素分配 / 土壌水分 / Rubisco / Rubisco mRNA / 老化
Research Abstract

土壌水分が低下すると,作物の葉の老化過程における光合成速度は大きく減少する.この時,葉の窒素含量も低下し,葉の老化過程において葉の窒素含量と光合成速度,リブロース-1, 5-ニリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(Rubisco)含量とは相互に密接な関係がある.そこで,本課題研究の最終年度である本年は,(1)低土壌水分条件で葉の窒素含量が減少する要因,および(2)葉の窒素含量とRubisco mRNA蓄積量の関係を明らかにすることを目的として研究を行った.概要は以下の通りである.
水稲を水分含量の低下したバーミキュライトに生育させると,低土壌水分条件と同様,葉の窒素含量が低下して,Rubisco含量が低下し,葉の光合成速度は明らかに減少した.低水分バーミキュライトに生育した水稲は,湿潤バーミキュライトに生育した水稲に比較して,体内全窒素含量の明らかな減少は認められなかった.両水稲の葉の窒素含量の相違は,主として窒素の器官別分配割合の相違によっておこり,低水分バーミキュライトに生育する水稲では窒素の分配割合は葉で減少し,根で増加した.
窒素追肥量が異なり,登熟期の光合成速度の減少程度の異なる水稲の間には,葉の老化過程を通じて,葉の窒素含量とRubisco含量,Rubisco mRNA蓄積量の間には密接な関係が認められた.
以上の結果から,土壌水分の低下が葉の老化過程の光合成速度の減少を促進する一つの要因として,土壌水分の低下が根への窒素分配の増加と葉の窒素分配の低下を引き起こし,その結果,葉の窒素含量が低下して,Rubisco mRNA転写蓄積量が減少し,Rubisco含量が低下することが考えられた.

  • Research Products

    (6 results)

All Other

All Publications (6 results)

  • [Publications] 大川 泰一郎: "サイトカイニン散布および窒素追肥が登熟期の水稲葉身のリブロース-1, 5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ含量およびrbcL, rbcSの転写蓄積量に及ぼす影響"日本作物学会紀事. 70.別1. 54-55 (2001)

  • [Publications] Kondo A.: "Cytokinin level in root exudates and leaf senescence after flowering in maize plants"Proceedings of the 6^<th> Symposium of the International Society of Root Research. 232-233 (2001)

  • [Publications] 平沢 正: "「葉ざし」水稲の葉身の老化過程における光合成速度の低下に及ぼす根一部切除と根からのサイトカイニン注入の影響"日本作物学会関東支部会報. 16号. 46-47 (2001)

  • [Publications] 成岡 由規子: "登熟期の老化程度が異なる水稲品種日本晴とアケノホシの葉身窒素含量の相違とその要因"日本作物学会関東支部会報. 16号. 48-49 (2001)

  • [Publications] 平沢 正: "開花期以前の土壌水分条件が登熟期間中のトウモロコシの葉の老化に及ぼす影響"日本作物学会関東支部会報. 16号. 38-39 (2001)

  • [Publications] 三王 裕見子: "湛水直播栽培した水稲タカナリの乾物生産特性-慣行移植栽培した水稲との比較-"日本作物学会紀事. 71(印刷中). (2002)

URL: 

Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi