1999 Fiscal Year Annual Research Report
窒素および水の利用効率からみた多収性イネ品種の再評価
Project/Area Number |
11460008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
天野 高久 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (40202692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 勤 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (70238939)
井上 博茂 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40260616)
稲村 達也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00263129)
山本 卓司 奈良県農業試験場, 主任研究員
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Keywords | 密植深植 / 中国 / 多収 |
Research Abstract |
中国における伝統的な水稲多収栽培技術である密植・深植栽培の有効性に着目して,以下の実験を行った.中国産水稲多収性品種汕優149号(印型ハイブリッドライス),合系22-2号(日印交雑種)を,日本晴とともに,栽植密度3水準(13.3,33.3および50.0株/m^2)および植付深さ2水準(3および9cm)の6処理区で栽培して,移植後より生育ステージにあわせて茎数調査およびサンプリングを行い,部位別乾物重,LAIを調査した。また,出穂期における植物体の窒素含有量を測定するとともに,成熟期には収量構成要素の調査を行い,多収性の要因を解析した. 汕優149号および合系22-2号は,いずれも33.3株/m^2の深植区でもっとも高い収量を示したのに対し,日本晴では,13.3株/m^2の浅植区でもっとも高い収量を示した.深植区と浅植区を比較したところ,CGRではいずれの品種も浅植区でより高い値を示していた.茎数においても浅植区において大きい値を示し,その結果有効茎歩合は逆に深植区において大きくなった.中国産水稲品種では,いずれも穂数が少ない場合には,深植えによって1穂穎花数が大きくなる傾向がみられたのに対し,日本晴では深植において中国品種と比べて穂数が多くなることから,1穂穎花数が減少する傾向がみられた.収量構成要素では,いずれの品種,処理区においても,単位面積あたり穎花数と収量との間で有意な相関がみられたものの,出穂期における植物体の窒素保有量または乾物量と単位面積あたり穎花数との間には相関がみられなかった. 以上の結果から,中国における多収性品種を用いた密植・深植栽培では,深植によって1穂穎花数の増加と高い登熟歩合を得ることで1茎あたりの収量を高め,深植による初期生育の遅延と茎数の不足を密植によって補うことにより,多収となっていると考えられた.
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