2002 Fiscal Year Annual Research Report
トウジンビエの集団選抜,近交系育成及び体細胞胚形成系の確立に関する研究
Project/Area Number |
11460009
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
吉田 智彦 宇都宮大学, 農学部, 教授 (80231695)
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Keywords | トウジンビエ / 葯培養 / 近交系 / 集団選抜 / 生長点培養 / 選抜効果 / 収量構成要素 / 胚培養 |
Research Abstract |
(1)半数体育種法により作出された系統の収量・組合せ能力 トウジンビエの葯培養により半数体植物を作出し,その再分化個体の倍数化処理で近交系を作出した.それらを検定親または育成した近交系同士の交配を行い,その後代を圃場に栽培して生産力の検定を前年に引き続き行った.組合せによっては生産力の高いものもあり,半数体育種によるトウジンビエ多収育種の可能性はあるものと思われた.但し,全体的にはかなりの長程,晩生であり,実用化には遺伝資源からの検討が必要と思われた. (2)培養による体細胞胚形成系の確立 トウジンビエの生長点培養やカルス誘導,カルスからの体細胞胚形成.植物体誘導の各過程に最適な条件を前年からの継続で探った.生長点,胚などの培養により脱分化は比較的容易に可能であること,培養条件で脱分化への差がみられることなどが明らかになったが,脱分化カルスからの再分化が困難であり,本年度には再分化個体を得るには至らなかった. (3)早生,短稈,長穂への集団選抜 ICRISATよりのトウジンビエ導入集団について,早生,短稈,長穂の集団選抜を宇都宮大学でまず行い,その選抜集団をインドネシアで評価することで1年以内での選抜効果の確認が可能かを検討したところ,選抜形質での遺伝率,遺伝相関の推定が可能であった.
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