1999 Fiscal Year Annual Research Report
花芽形成突然変異体を用いた花芽・果実形成決定遺伝子の単離と園芸生産への利用
Project/Area Number |
11460010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金山 喜則 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10233868)
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Keywords | トマト / 花芽形成 / 果実形成 / MADSボックス遺伝子 |
Research Abstract |
本研究で用いたトマトの花芽形成突然変異体*(以下ミュータント)は、花序分化後の形態形成に変異がみられ、花芽を全く形成せず、かつ特殊に分化した葉(以下擬葉)が多肉化し果実様になる。そこでこのミュータントと野生型(以下ノーマル)を用いて、花芽あるいは果実形成に特異的な遺伝子を単離するとともに、果樹・果菜における利用の可能性を示すことを目的とした。 ミュータントの特徴を明らかにするために、ノーマルとミュータント花序の分化・生長過程の形態観察を行った。その結果、ミュータントでは花序分化時期が早まること、花芽のがく片形成期から違いが明確になること、花序上で分裂組織が次々と分化し続けることが明らかとなった。さらに、生長を続ける花序軸の先端が合着し、そこについた擬葉が多肉化することが観察された。 ミュータントあるいはノーマル花芽形成の初期段階の組織からmRNAを抽出し、ディファレンシャルディスプレー法による花芽形成特異的遺伝子の単離を試みた。その結果、植物ホルモン代謝関連遺伝子や転写因子と相同性のある遺伝子断片が得られ、いずれもノーマル花芽の分化初期に強く発現し、ミュータントでの発現は微弱であった。また形態形成遺伝子であるMADSボックス遺伝子の共通配列を元にしたPCRプライマーを作成してRT-PCRを行った。その結果、ノーマルおよびミュータントの双方から花芽決定遺伝子であるAP1ホモログ遺伝子断片が得られ、発現はむしろミュータント花序で強かった。今後、他の花芽決定遺伝子の単離と発現解析を行う予定である。
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[Publications] Y.Kanayama: "Purification and characterization of nitrale reductasec from nodule cytosol of soybean plants"Physiologia Plantarum. 105. 396-401 (1999)
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[Publications] Y.Suzuki: "Vacuolar H^+-pyrophosphatase purified from pear-fruit"Phytochemistry. 50・4. 535-539 (1999)
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[Publications] K.Shiratake: "Changes in tonoplast and its proteins with the development of pear fauit"Acta Horticulturae. (in press).