1999 Fiscal Year Annual Research Report
トマト雄性不稔の環境依存稔性回復系統を用いた二系ラインF1採種体系の構築
Project/Area Number |
11460012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桝田 正治 岡山大学, 農学部, 教授 (90026617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 賢治 岡山大学, 農学部, 助手 (40200266)
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
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Keywords | トマト / 雄性不稔 / 環境依存稔性回復 / F_1採種 |
Research Abstract |
トマト品種'ファースト'突然変異体T-4は、花粉非崩壊型の雄性不稔性を示し、アセトカーミン染色で桃色に、ヨード溶液で約半数が黒色に染色されると言う特徴を持つ。この雄性不稔株の春秋期における稔性回復性について調査した.挿し木によって栄養繁殖したT-4株は春期に全て不穏性を示した. これら同植物体を秋期に自然環境下で栽培したところ、すべての株が稔性回復を示し、自家受粉花の約50%に結実がみられ,果実当たり平均26粒の種子を得た.その自殖種子を翌春に自然環境下で栽培したところ株は全て不稔性を示した.同植物は秋期に稔性回復し果実当たり35粒の種子を得た.短日および長日処理は、不稔性回復に影響しなかった。 T-4株の人工培地上での花粉発芽率は春期より秋期の方が高かったが、その値は原品種'ファースト'と比べればはるかに低かった。春期のT-4株の花粉は発芽しても花粉管伸長速度が遅く途中で停止したが、秋期には速まり最終の花粉管長においては'ファースト'のそれと差が無くなった。これが秋期に部分的に自殖種子ができる要因であろうと考えられた。 次に、夜温の影響について人工気象器を用いて検討したところ、夜温24℃では着果しなかったが、16℃のとき13%、8℃のとき60%が着果し、夜温が低下するほど着実率の高まるとが明らかとなった。
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[Publications] Ma,Y., K.Sakata and M.Masuda: "Partial inhibition of pollen degradation by gibberellic acid in male sterile tomato mutants derived from cv. First"Scientific Rep. Fac. Agr. Okayama Univ.. 88. 57-63 (1999)
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[Publications] Masuda.M. et al.: "Characterization and genetic analysis of male sterile mutant induced in tomato cv. First, having mature pollen stainable with acetocarmine"J. Jap. Soc. Hort. Sci.. 68. 566-568 (1999)
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[Publications] 内田浩司,加藤鎌司,桝田正治: "トマト'ファースト'より作出した雄性不稔系統T-4における稔性回復の季節的変動"園芸学会雑誌. 68(別I). 200 (1999)