2001 Fiscal Year Annual Research Report
トマト雄性不稔の環境依存稔性回復系統を用いた二系ラインF1採種体系の構築
Project/Area Number |
11460012
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桝田 正治 岡山大学, 農学部, 教授 (90026617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
位田 晴久 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60151768)
村上 賢治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (40200266)
加藤 鎌司 岡山大学, 農学部, 助教授 (40161096)
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Keywords | トマト / 雄性不稔 / F1種子生産 / 種子稔性回復 / 可稔抑制遺伝子 |
Research Abstract |
トマトの花粉非崩壊型雄性不稔(T-4)は,晩秋に稔性が部分的に回復し自殖できることをこれまでに明らかにしてきた.しかし、雄性不稔分離個体の中には夜温を24℃とした場合でも着果する個体があり,高い試験区では15%にもなった.また,着果率や果実当たりの種子数においても株間のバラツキは大きく,雄性不稔発現とその回復に関わる遺伝的制御は未だそれほど均質にはなっていないものと推察された. そこで、自殖1代目を春期に挿し木で繁殖したクローン株の不稔発現について調査した。最低気温12℃のハウス内で栽培しつつ開花時に順次、自家受粉を行ったところ、着果率は3月期で0%、4月上半期で80%、4月下半期で85%、5月上半期で90%となり、10%前後の確率で自殖する事が分かった。この場合、1果の平均種子数は20粒程度でオリジナルファースト花粉を交配した時の150粒前後と比較して極めて少ないが、F1採種における自殖種子混入の危険性が示唆された。次に、自殖5系統について採種した2代目の不稔発現を見るため5月中旬に株毎に4花受粉したところ(このうち1系統の種子は全く発芽せず)、10株中1株不着果を示した系統、10株中7株不着果を示した系統などが認められ自殖1代の段階では不稔発現に関係する遺伝要因が分離してくる可能性が示唆された。自殖2代目の自殖種子について検討しているが、極めて強い不稔発現を示す個体を見い出しており、この系統からの種子親雌性ラインを育成したいと考え研究を展開しているところである。 また、これまで5年間に得た雄性不稔の分離比を整理したところ、ヘテロの自殖13:3、ホモ×ヘテロの分離比は5:3となり、この雄性不稔発現に可稔抑制遺伝子が関係している可能性が示唆された。すなわち、雄性不稔系統には、Yを抑制遺伝子としてiiYYとiiYyの2種類のタイプが存在することになる。これを証明するためには、雄性不稔自殖株のうちから、、完全可稔株(iiyy)の出現することを明らかにすれば良い。現在、この証明に向けての実験を継続している。
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Research Products
(2 results)