2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11460017
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
加納 恭卓 石川県農業短期大学, 生物生産学科, 教授 (80115823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 秀幸 石川県農業短期大学, 食品科学科, 助教授 (20142656)
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Keywords | 苦味系統 / 窒素肥料 / 低温 / アミノ酸 / タンパク質 / HMG-CoAレダクターゼ活性 / ククルビタシンC |
Research Abstract |
現在までに'加賀太'キュウリの苦味果あるいは苦味果の多発する株では,窒素代謝が活発化することを明らかにした.このことから,苦味果あるいは苦味果の多発する株では苦味物質であるククルビタシンCの合成に関与する種々の酵素がより多く生成されているものと考え,酵素形成に重要であるアミノ酸,タンパク質含量および関連酵素の一つであるHMG-CoAレダクターゼの活性について調査した. (1)無苦味系統と苦味系統の比較:苦味果の発生が高い苦味系統で,下位葉,上位葉中のアミノ酸含量,タンパク質含量はいずれも高かった.HMG-CoAレダクターゼ活性は苦味系統で下位葉,上位葉いずれも高くなった. (2)窒素肥料の影響:慣行区より慣行の窒素施与量の2倍を施与した2倍区で,苦味果の発生は高く,アミノ酸含量は下位葉,上位葉ともに高く,タンパク質含量は上位葉で高くなった.HMG-CoAレダクターゼ活性は2倍区で高くなった. (3)低温の影響:ビニルハウスを加温した加温区より無加温区で,苦味果の発生は高く,葉中のアミノ酸,タンパク質含量は高く,HMG-CoAレダクターゼ活性も無加温区の上位葉では加温区より高くなった. (4)無苦味果と苦味果の果皮の比較:アミノ酸,タンパク質含量は苦味果で無苦味果より高くなった.HMG-CoAレダクターゼ活性は苦味果で無苦味果より高くなった. このように,植物体(葉)内におけるアミノ酸,タンパク質含量が増大すると,苦味物質であるククルビタシンCの生合成に関与するHMG-CoAレダクターゼ活性が高くなり,その結果苦味の発現が促進されるものと考えられる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 後藤秀幸,加納恭卓 ら: "加賀太キュウリにおける苦味発現に関与する酵素の活性"園芸学会雑誌. 69・別1. 282-282 (2000)
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[Publications] Kano,Y.and Goto,H.: "Development of bitterness in cucumber fruit (Cucumis sativus L.) of Japan"International symposium on tropical and subtropical fruits. 31-31 (2000)
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[Publications] 加納恭卓,後藤秀幸: "'加賀太'キュウリにおける苦味発現とアミノ酸,タンパク質含量およびHMG-CoAレダクターゼ活性との関連性"園芸学会雑誌. 70・別1(印刷中). (2001)
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[Publications] Kano,Y et al.: "Relationship between the occurrence of bitter cucumber (Cucumis sativus. L.cv. Kagafutokyuri) and total nitrogen, nitrate-N, amino acid-N and protein contents in the leaf and peel"J.Japn.Soc.Hort.Sci.. 70(In press). (2001)