1999 Fiscal Year Annual Research Report
過敏感細胞死の発現を制御する遺伝子のクローニングとその機能解明
Project/Area Number |
11460023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 哲治 岡山大学, 農学部, 教授 (00191320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 誠 岡山大学, 農学部, 教授 (50274014)
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Keywords | エリシチン / ハーピン / フラジェリン / 過敏感細胞死 / 過敏感反応 / 活性酸素 |
Research Abstract |
植物病原菌の生産する過敏感細胞死(HR)誘導性のタンパク質性エリシターの単離とその機能解析と共にその遺伝子のクローニングを行った。 1.Pseudomonas syringaeの各病原型(pv.tabaci,tomato,pisi,glycinea)のタンパク質エリシターharpinをコードする遺伝子hrpZを単離し、大腸菌で組換えharpinを生産させた。これらのharpinのうち、pv.tabaci由来のhrpZ遺伝子は中央部が欠失しており、結果としてアミノ未端側約1/3程度のポリペプチドしか合成できず、細胞死誘導活性を持たないことが判明した。また、これらのharpinを用いて、タバコ、トマト、エンドウ葉をinfiltration法で処理し、HRの誘導を観察したところ、tabaci菌のharpin以外の3種のharpinはタバコ、トマトにHRを誘導したが、エンドウにはいずれのharpinもHRを誘導しなかった。 2.Pseudomonas syringae pv. tabaciではHRを誘導するharpinは生成しないが、その培養ろ液にはトマト葉にHRを誘導する活性が存在する。本活性を生成したところ、フラジェリンであることが判明した。 3.Phytophthora infestansのタンパク質エリシターであるエリシチンを大腸菌で生産させ、タバコBY-2細胞に処理し、HR誘導、活性酸素の生成、防御遺伝子の転写活性化に至るシグナル伝達経路を解析した。その結果、これらの全ての反応にはタンパク質のリン酸化が必要であるが、細胞死にのみプロテアーゼ活性が必要であること、活性酸素の生成はHRや防御応答遺伝子の活性化とは関連しないことが明らかにされた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakada, H.: "Cloning and Structural Characterization of hrp locus of Pseudomonas syringae pv. pisi."Annals of the Phytopathological Society of Japan. 65. 147-152 (1999)
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[Publications] 山田 哲治: "環境応答・適応の分子機構"共立出版. 7 (1999)
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[Publications] Yamada, T.: "Delivery of Pathogen Signals to Plants"APS Press. 10 (2000)