1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物病原菌の病原性に立脚した病害抵抗性トランスジェニック植物の創製研究
Project/Area Number |
11460025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
米山 勝美 明治大学, 農学部, 教授 (50110060)
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Keywords | キウイフルーツかいよう病 / OCTase / argK / 病害抵抗性植物 / イネもみ枯細菌病 / Toxoflavin / IS様配列 / Tn変異株 |
Research Abstract |
1.キウイフルーツかいよう病抵抗性植物の作出に関する研究 インゲンかさ枯病菌のファゼオロトキシン非感受性OCTase遺伝子(argK)をクローニングし、キウイフルーツに導入することによる病害抵抗性の付与を試みた。植物のOCTaseは葉緑体に存在することから、葉緑体移行タンパク質遺伝子と融合し、アグロ感染により植物体に導入した。得られた形質転換体は毒素耐性ならびに、キウイフルーツかいよう病抵抗性を示した。また、これら形質転換体は遺伝子の発現・翻訳も確認でき、さらに形質転換体の単離葉緑体におけるOCTase活性は、毒素存在下でも非形質転換体に比べて著しい活性を示していることが確認できた。このことから、細胞質で翻訳されたOCTase酵素タンパク質が葉緑体に移行し、病害抵抗性を示したものと示唆された。 2.イネもみ枯細菌病菌の毒素生合成関連遺伝子に関する研究 イネもみ枯細菌病菌の毒素Toxoflavin産出能を欠損させたTn変異株No19を相補する2.7KbのゲノムDNA断片には転移遺伝子であるIS2様配列のみが存在した。野性株において、IS2様配列下流には機能未知のORF3、ORF4、ORF5が存在していた。しかしNo19株にはIS2様配列が欠損していることから、野性株ではIS2様配列がORF3、ORF4、ORF5遺伝子の制御を行っていることが推測された。そこでORF3遺伝子破壊株MY403を作出した結果、MY403株は毒素産出能を欠損していた。またNo19株と同様に毒素に対して感受性になっていることが明かとなった。これらのことからORF3は本菌の毒素耐性に関与し、毒素生合成も同時に制御している可能性が示唆された。
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