1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規殺虫性タンパク質遺伝子(ICP gene)の解析と生物農薬への応用
Project/Area Number |
11460026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
飯塚 敏彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50001441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
浅野 眞一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60222585)
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Keywords | Bacillus thuringiensis / ドウガネブイブイ / 結晶タンパク質遺伝子 / cryB28遺伝子 / cry8遺伝子 |
Research Abstract |
本年度は、ドウガネブイブイに活性を有するB.thuringiensis serovar galleriae BBT2-8株のcry遺伝子のクローニングとその遺伝子の塩基配列決定ならびに、大腸菌・Btでの発現について行った。 まず、BBT2-8株の結晶タンパク質の精製ならびに抗体作成を行った。BBT2-8株の結晶タンパク質を大量培養後、本年度導入した生体分子精製システムを用いて精製し、このタンパク質に対する抗体を作成した。 さらに、BBT2-8株のcry遺伝子をクローニングするために、λgt11を用いてDNAライブラリーを作成し、抗BBT2-8結晶タンパク質抗体を用いてスクリーニングしたところ、λB28クローンを得た。λB28クローンはプラスミドベクター(pUC119)にサブクローニングし、そのクローンの塩基配列を決定した。 さらに、そのクローンがコードするcry遺伝子を大腸菌で発現させ、タンパク質をSDS-PAGEならびに上記抗体でエンザイムイムノアッセイにより解析したところ、cry遺伝子全体をコードしていなかったため、cry遺伝子全体をコードする遺伝子のクローニングをさらに行った。その結果、3504bp(1168aa)のORFを有するクローン(pB28F)を得、そのクローンの塩基配列を決定した。このCryB28タンパク質は、従来報告のされているドウガネブイブイに対して強い殺虫活性を有するcry8C遺伝子との相同性が、65%程度であるため、新規のcry8遺伝子であることが明らかとなった。また、このcryB28遺伝子を大腸菌で発現させそのタンパク質を回収することができたが、Bt菌株では発現させることができなかったため、cryB28遺伝子のBtでの発現制御機構についてはさらなる研究が必要であると考えられた。
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[Publications] 飯塚 敏彦: "ドウガネブイブイに活性を有する B. thuringiensis serovar galleriae BBT2-8株のcry遺伝子"日本蚕糸学会東北支部 秋期発表会 東北蚕糸研究報告. 25号(発表予定). (2000)
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[Publications] 飯塚 敏彦: "Screening of novel cry genes from Bacillus thuringiensis and analysis of their nucleotide sequences"Proceedings of an International Symposium on the Proteins for Insect Pest Control. (印刷中). (2000)
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[Publications] Shin-ichiro Asano: "Screening for scarabecidal crystal proteins from Bacillus thuringiensis isolates"Biotechnology of Bacillus thuringiensis. vol.3. 72 (1999)
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[Publications] Toshihiko Iizuka: "Biotechnology of Bacillus thuringiensis Vol. 3"Science Press. 246 (1999)