2000 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫病原性微胞子虫類のカリオタイプ及びゲノムサイズに関する研究
Project/Area Number |
11460027
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河原畑 勇 九州大学, 農学研究院, 教授 (60038221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 智佐 九州大学, 農学研究院, 助教授 (20264103)
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Keywords | 昆虫病原性微胞子虫 / 微胞子虫胞子 / 微胞子虫クローン / パルスフィールド電気泳動 / アルカリEDTA溶液 / シグナル強度 / 多重感染 / クローン化 |
Research Abstract |
微胞子虫胞子は強固な細胞壁を有する事が知られており,一般に発芽誘導化学物質を用い発芽処理を行った後にゲノムDNAを抽出する。化学物質に対する各種胞子の発芽率は微胞子虫の属,種間で大きく異なるために,属,種の異なる微胞子虫からゲノムDNAを抽出する際には広範囲の微胞子虫に発芽を誘導する過酸化水素水がこれまで主として用いられてきた。しかしブラジルの病蚕から分離された微胞子虫分離株は過酸化水素水を含む既知の発芽誘導化学物質で前処理をしてもDNAの抽出は認められなかった。そこで種々の物質を検討したところ,pH12.0に調整したアルカリEDTA溶液による前処理は用いたすべての微胞子虫胞子からのゲノムDNA抽出に有効であった。これは微胞子虫の発芽生理,発芽効率及び胞子外に抽出されたDNAの安定性が関与していると推察された。 パルスフィールド電気泳動において分子量とシグナル強度との関連性について検討した。Saccharomyces cerevisiaeの場合は分子量,シグナル強度の間に高い相関が認められる。一方,微胞子虫の場合は一部を除きその関連性は極めて低いものであった。これは同一サイズの染色体が複数存在する,または同一の染色体が複数存在する可能性,もしくは抽出過程において物理化学的あるいは生物学的(アポトーシス等)に特異的な切断が起き,人工産物としてバンドの多様性が生じた可能性,多重感染により複数の微胞子虫由来のゲノムDNAの混在などが考えられた。これまで微胞子虫の総ゲノムサイズの報告があるが以上の問題点については指摘されていない。 以上の事より微胞子虫ゲノムDNAのパルスフィールド電気泳動による比較はクローン化した微胞子虫を用いゲノムの数,サイズではなく,同一条件下で抽出,泳動した場合のシグナル強度を考慮に入れたバンドパターンの比較により議論すべきであると考えられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 寺元理恵,青木智佐,橋口美保子,河原畑勇,富丸英博: "ブラジルの養蚕農家で発生した微胞子虫病と病原(4)2種類の胞子を産生する微胞子虫について."第56回日本蚕糸学会九州支部研究発表会並びに学術講演会. 1. 21 (2000)
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[Publications] 橋口美保子,青木智佐,寺元理恵,河原畑勇,富丸英博: "昆虫病原性微胞子虫TB-2M-H1株のoctospore形成誘導"第56回日本蚕糸学会九州支部研究発表会並びに学術講演会. 1. 25 (2000)
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[Publications] Hashiguchi,M.,R.Teramoto,C.Yasunage-Aoki,T.Kawarabata and H.Tomimaru.: "A multiple infection of entomopathogenic microsporidians in Bombyx mori."XXXVth Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology. 33. 51 (2000)
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[Publications] Teramoto,R.,M.Hashiguchi,C.Yasunage-Aoki,T.Kawarabata and H.Tomimaru.: "Does pebrine exist in Brazilian silkworm farms?"XXXVth Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology. 33. 93 (2000)
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[Publications] Yasunaga-Aoki,C.,T.Kawarabata,K.Iiyama and S.Imanishi: "Establishment of a new cell line having high phagocytic ability from hemocytes of the beet armyworm, Spodoptera exigua."XXXVth Annual Meeting of the Society for Invertebrate Pathology. 33. 101 (2000)