1999 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性生理活性物質をリガンドとする新規核内レセプターの検索
Project/Area Number |
11460035
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (60204468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 純 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (50301114)
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Keywords | ステロイド甲状腺ホルモン / 脂溶性ビタミンA,D / 核内レセプター / 遺伝子スーパーファミリー / ビタミンD誘導体 / 標的組換え / VDR欠損マウス / 2重欠損マウス |
Research Abstract |
ステロイド甲状腺ホルモン、脂溶性ビタミンA、Dをリガンドとする核内レセプターは1つの遺伝子スーパーファミリーを形成し、ヒトを始めとした高等捕乳動物では100種近くも存在すると考えられている。本年度は核内レセプターリガンドとして働く新規低分子量脂溶性生理活性物質同定を最終目的に、下記の3点に焦点を当て、研究を進めた。 1.相同性を利用した新たな核内レセプターの検索:核内レセプター群はともに相同性が極めて高いため、相同性を利用した新たな核内レセプターの検索が可能である。本年度は、数多くのビタミンD誘導体が存在するのにもかかわらず、レセプターがVDR1種のみしか知られていないことに着目し、特にVDRと相同性の高い核内レセプターの同定を試みた。 2.RXRとのヘテロ2量体化を利用した新たな核内レセプターの検索:VDRをはじめとした非ステロイドホルモン型レセプターは、RXRとヘテロ2量体化することで、DNAに結合、レセプター機能を発揮することが知られている。そこでこのヘテロ2量体化に着目し、RXRをプローブとして、これと会合するレセプターを検索した。 3.組織特異的ビタミンDレセプター欠損マウスの作出と表現型の解析:既に標的組換えによるVDR欠損マウスの作出に成功し、その表現型の解析を行った。その結果、重篤なクル病を呈しており、骨形成、皮膚などに明らかな異常が認められた。更にRXRβとRXRγの2重欠損マウス(VDR-RXRβ、VDR-RXRγ)を作製し、これらの異常がVDR単独欠失より軟骨で強調されることを見出した。これら動物の表現型を詳細に解析することで、皮膚、軟骨組織においてはビタミンDが血中カルシウムを介さず直接作用することがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kobayashi.Y.,Kato.S.et al.: "p300 mediates functional synergism between AF-1 and AF-2 of estrogen receptor α and β by interacting directly with the N-terminal A/B domains"J.Biol.Chem.. (in press). (2000)
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[Publications] Fuse,H.,Kato,S.,et al.,: "Characterization of transactivational property and coactivator mediation of rat mineralocorticoid receptor AF-1"Mol.Endocrinol.. (in press). (2000)
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[Publications] Tai,H.,Kubota,N.,Kato,S.: "Involvement of unclear receptor coactivator SRC-1 in estrogen-dependent cell growth of MCF-7 cells"Biochem.Biophys.Res.Commun.. (in press). (2000)
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[Publications] Yanagisawa,J.,Kato,S.,et al.: "Convergence of TGFβ and vitamin D signaling pathways on SMAD proteins acting as common transcriptional co-activators"Science. 283. 1317-1321 (1999)
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[Publications] Takeyama,K.,Kato,S.,et al.: "Selective interaction of vitamin D receptor with transcriptional coactivators by a vitamin D analog"Mol.Cell.Biol.. 19. 1409-1055 (1999)
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[Publications] Sekine,K.,Kato,S.,et al.: "FGF10 is essential for tha limb and lung formation"Nature Genetics. 21. 138-141 (1999)