2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11460036
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20111479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安保 充 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00272443)
山崎 素直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011982)
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Keywords | 脱窒 / N_2O / 金属酵素 / 光合成細菌 |
Research Abstract |
脱窒能を有する光合成細菌Rhodobacter sphaeroides f.sp.denitrificansは、グラム陰性紅色非硫黄光合成細菌緑色変異株で、光合成生物の中で脱窒能を持つことが最初に確認された細菌である。この細菌は呼吸基質としてO_2,NO_3^+、N_2O、dimethyl sulfoxide(DMS0)等を利用できる多様性を有し、また光合成によっても生育に必要なエネルギーを獲得できる。本菌を1000mlスクリューキャップ付きガラスビンで嫌気的に光条件下25℃で24〜30時間対数増殖期終期まで培養し、硫安分画、陰イオンクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー・ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーによってN_2O還元酵素を精製した。精製した酵素をNative-PAGEによってその純度を確認した。またSDS-PAGEを行ったところ、67kDaの位置に単一のバンドを与えた。次いでMALDI-TOF-MSによりサブユニットの分子質量の測定を行った。マトリックス溶液としてシナピシ酸を0.1%トリフルオロ酢酸、30%アセトニトリル水溶液に飽和させたものを用いた。その結果、66,010にピークを検出し、本酵素は66kDaのホモダイマーであると結論された。本酵素は1分子あたり4原子の銅を含んでいる。嫌気的あるいは好気的に精製した酵素の紫外可視吸収スペクトルを測定したところ、本酵素に含まれる銅はきわめて還元されやすいもの、ゆっくりと還元されるもの、還元されないもの、3種類が存在することが推定された。さらにEPRの測定を試みて活性中心の構造と機能を解析する予定である。
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