1999 Fiscal Year Annual Research Report
細菌におけるホルムアルデヒド固定酵素系遺伝子群の分布と物質生産系への応用
Project/Area Number |
11460041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 暢夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026556)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60202082)
|
Keywords | Archaea / Methylomonas aminofaciens 77a / Mycobacterium gastri MB19 / ヘキシュロースリン酸シンターゼ / ホスホヘキシュロイソメラーゼ / メチロトローフ細菌 / ホルムアルデヒド固定酵素系 |
Research Abstract |
1)細菌のホルムアルデヒド固定酵素遺伝子群の解析: Methylomnas aminfaciens 77aとMycobacterium gastri MB19のヘキシュロースリン酸シンターゼ(HPS)およびホスホヘキシュロイソメラーゼ(PHI)遺伝子を含む遺伝子クラスターの全容を明らかにし、77a株では、HPSとPHIとが、トランスポサーゼのプロモーターによってそれぞれ負と正の発現制御を受けることを明らかにした。一方、MB19では、HPSとPHIはオペロンを形成し、その発現が、調節遺伝子によって発現制御されることを見出した。これは、77aが偏性メチロトローフ、MB19株が通性メチロトローフであることをよく説明する事実である。 さらに、両菌株で得られた配列を基にデータベースで探索したところ、HPS、PHIともに広い範囲のBacteria、Archaeaの相同性の高い遺伝子が認められ、両酵素遺伝子が対をなして進化を遂げていることが推定された。特に、メタン生成菌、酢酸生成菌、高度高熱菌などのArchaeaは系統分類的クラスターを形成することを認めた。これは、本来好気的細菌であるメチロトローフに特有の反応と考えられてきた両酵素が嫌気性のArchaeにおいても生理的役割を持つことが想像できるものであり、今後の明らかにすべき問題であった。 2)その他のメチロトローフのHPS/PHIの遺伝子解析: メタノールを資化することのできるBacillus族細菌より、両酵素遺伝子のクローニングに成功し、塩基配列と各遺伝子配座を決定した。その結果、両遺伝子はB.subtilisに認められるものと相同性が高く、遺伝子配座も類似であったが、調節遺伝子の位置が異なっていた。また、両遺伝子の大腸菌での発現にも成功した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] N.Kato et al.: "A Novel operon encoding formaldehyde fixation: the ribulose monophosphate pathway in the Gram-positive facultative methylotrophic bacterium Mycobacterium gastri MB19"Journal of Bacteriology. 182. 944-948 (2000)
-
[Publications] N.Kato et al.: "Organization of the genes involved in the ribulose monophosphate pathway in an obligate methylotrophic bacterium, Methylomonas aminofaciens 77a"FEMS Microbiological Letters. 176. 125-130 (1999)
-
[Publications] 加藤暢夫ら: "ホルムアルデヒドの固定はメチロトローフだけの特技か?"化学と生物. 37. 284-286 (1999)