1999 Fiscal Year Annual Research Report
C-Nハイドロラーゼの反応機構および分子進化の解析
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11460042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 達彦 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (70221976)
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Keywords | ニトリル / アミド / ニトリラーゼ / アミダーゼ / 加水分解酵素 |
Research Abstract |
本申請者らは、Rhodococcus rhodochrous J1のNitrilaseにおいてAmidase活性が弱いながらも存在することを認め、今回、本酵素活性について、より詳細な解析を行うとともに、(活性システイン以外に)Nitrilaseの反応機構に関わるアミノ酸残基の同定を試みた。さらに、本菌のAmidaseによるヒドラジンを基質の一つとして用いたヒドラジド合成の条件検討を行ったので報告する。 1.Benzamideを基質としてNitrilaseのAmidase活性を正確に測定したところ、比活性は3.34×10^<-5>U/mgであり、Benzonitrileを基質としたNitrilase活性の1/300000であった。(Benzonitirleに対するKm値が2.10mMであるのに対し)Benzamideに対するKm値は2.94mMと近い値を与え、また、BenzamideによるNitrilase活性の阻害は競合型(Ki=16.6mM)を示した。さらに、Nitrilase活性に必須な活性アミノ酸残基であるCys165を(部位特異的変異法で)Alaに置換した酵素は、全くAmidase活性を示さなかった。これらのことから、この2つの活性が同一の活性中心に基づく可能性が示唆された。 2.Nitrilase間で完全に保存されているリジン残基であるLys131をAlaに置換したところ、完全に活性が消失した。CDスペクトル測定の結果、wildの酵素との間にそれ程大きな二次構造の違いは認められなかったことから、Lys131が(Cys165以外に)活性アミノ酸残基の一つであることが強く示唆された。 3.各種芳香族アミドあるいは脂肪族アミドをヒドラジンとともに基質として用い、Amidaseに対して反応させた所、それぞれ対応するヒドラジドの生成が認められた。また、安息香酸とヒドラジンを反応させた場合Benzoic hydrazideの生成が見られたことから、酸もまたヒドラジド合成反応の基質となりうることが明らかとなった。但し、その活性は極めて低く、生成したヒドラジドの量は、対応するアミド(Benzamide)を基質とした場合の0.504%にとどまった。Benzamideを基質としてpHおよびヒドラジン濃度の影響を検討した所、高pH・高ヒドラジン濃度の条件下でヒドラジド生成量の向上が見られた。最終的に、pH9.5、ヒドラジン濃度3.2Mにおいて分解したBenzamideの89%までBenzoic hydrazideに変換でき、本活性はAmidase活性と同程度であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小林達彦、清水 昌: "スーパー生体触媒ニトリルヒドラターゼ:重金属コバルトとのユニークな関係"蛋白質核酸酵素. 44. 42-50 (1999)
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[Publications] Kobayashi,M. Goda,M., & Shimizu,S: "Hydrazide synthesis: Novel substrate specifity of amidase"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 256. 415-418 (1999)
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[Publications] Degen,O., Kobayashi,M. ,Shimizu,S. & Eitinger,T.: "Selective transport of divalent cartons by transition metal permeases: The Alcaligenes eutrophus HoxN and the Rhodococcus rhodochrous NhlF"Arch. Microbiol.. 171. 139-145 (1999)
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[Publications] Kobayashi,M. & Shimizu,S.: "Cobalt proteins"Eur. J. Biochem.. 261. 1-9 (1999)
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[Publications] Sakuradani,E., Kobayashi,M .& Shimizu,S.: "△6-Fatty acid desaturase form an arachidonic acid-producing Mortierella fungus: Gene cloning and its heterologous expression in a fungus, Aspergillus"Gene. 238. 445-453 (1999)
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[Publications] Sakuradani,E., Kobayashi,M., Ashikari,T. & Shimizu,S.: "Identification of △12-fatty acid desaturase from arachidonic acid-producing Mortierella by heterologous expression in Saccharomyces and Aspergillus"Eur. J. Biochem.. 261. 812-820 (1999)