2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝遺伝子を用いた内分泌攪乱化学物質代謝型植物新品種の作出
Project/Area Number |
11460046
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大川 秀郎 神戸大学, 遺伝子実験センター, 教授 (90233048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今石 浩正 神戸大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (50223318)
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Keywords | シロイヌナズナ / イネ / スルフォニルウレア系除草剤 / クロロスルフロン / 除草剤代謝 / 除草剤誘導 / CYP71B11 / CYP72A18 |
Research Abstract |
1.シロイヌナズナCYP71B11の機能解明 シロイヌナズナT-DNA挿入CYP71B11遺伝子欠損株、また、野生株WSとそれにCYP71B11cDNAを導入したCYP71B11過剰発現株について除草剤感受性試験を行った結果、スルフォニルウレア系除草剤クロロスルフロン、ニコスルフロン及びフルピルスルフロンに対して、野生株に比べてCYP71B11遺伝子欠損株は過感受性を示し、CYP71B11過剰発現株は耐性を示した。 また、^<14>C標識クロロスルフロン、イマゾスルフロンをシロイヌナズナの3系統に与えて、代謝物を分析した結果、両除草剤の代謝はCYP71B11過剰発現株が最も速く、次いで、野生株WSで、CYP71B11遺伝子欠損株はほとんど代謝しなかった。以上の結果、CYP71B11はスルフォニルウレア系除草剤の代謝に関与することが判明した。 2.イネの薬物代謝・誘導型P450遺伝子 イネ日本晴を各種薬剤で処理した後、定量PCR法でCYP72A18とCYP72A21の遺伝子の転写活性化を測定した。その結果、CYP72A18は除草剤2,4-D、トリフルラリン、シマジンなどで転写誘導されることが判明した。従って、CYP72A18遺伝子には除草剤応答性因子が存在すると思われる。そこで、イネCYP72A18遺伝子の5'上流域をクローニングし、各種シスエレメントを解析したところ、外来異物応答に係わるシスエレメントが認められた。 3.イネ薬物代謝型P450遺伝子の酵素機能 取得したイネCYP72A18とCYP72A21のcDNAをおのおの酵母に発現し、相当するP450発現酵母ミクロソーム画分を用いて各種除草剤の代謝分析を行ったが、代謝活性は認められなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Inui: "Herbicide Metabolism and Tolerance in the Transgenic Rice Plants Expressing Human CYP2C9 and CYP2C19"Pesticide Biochemistry and Physiology. 71. 156-169 (2001)
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[Publications] T.Nomura: "Molecular chracterization and chronosomal localization of cytochrome P450 genes involved in the biosynthesis of cyclic hydoroxamic acids in hexapoid wheat"Mol. Gen. Genet.. (印刷中). (2002)
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[Publications] 大川 秀郎: "環境負荷化学物質のモニタリング及び環境汚染浄化を目的とした遺伝子組換え植物"BRAIN. 86. 19-22 (2001)
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[Publications] 大川 秀郎: "環境モニタリング・汚染浄化植物の開発"バイオサイエンス. 60(印刷中). (2002)
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[Publications] 乾 秀之: "遺伝子組換え作物"農薬学事典(本山 直樹編)、朝倉書店. 212-242 (2001)