1999 Fiscal Year Annual Research Report
カビセルラーゼ群を用いたセルロース直接発酵菌の育種
Project/Area Number |
11460049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
荒井 基夫 大阪府立大学, 農学部, 教授 (80081537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 剛司 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (70195056)
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Keywords | 糸状菌 / セルラーゼ / バイオマス / セルロース |
Research Abstract |
バイオマスの有効利用の面から,セルロース性物質が地球上で最も大量に存在する有機物として重要であり,このものを水解するセルラーゼが注目されている.セルラーゼは複合酵素系から成っており,単独ではあまり活性を示さないが,共存すると互いに協力(相乗)してセルロースを分解すると考えられている.本研究はTricho dermaのセルラーゼと強い相乗効果を示す酵素生産菌Aspergillus aculeatusを分離したことを出発点としている.これらの酵素を混合使用すると強い相乗効果が現れ,草本植物繊維が完全糖化できることを明らかにした.セルラーゼ群の分離精製を行い,これまでにいくつかのセルロース分解に必要な新しい酵素を発見してきた.ついで,これらの酵素の遺伝子のクローニングを行うとともに,これらの遺伝子を酵母に導入して,相乗効果を利用して効率よくセルロースを分解するとともに,エタノールを生成する酵母の育種を計る.併せて,新規セルラーゼの構造と機能を明らかにして,その応用を目指すものである. 不溶性セルロースから効率良くグルコースを生成する酵素(β-glucosidase),セルロースの還元末,非還元末の両端からセロビオースを生成する酵素(Avicelase),水和セルロースにのみ特異的に作用するユニークなHydrocellulaseなどを発見し,これらの酵素はセルロース分解に重要な役割をしていることも明らかにした.これらの酵素の遺伝子のクローニング,酵母での発現に成功した.引き続き,他の酵素の遺伝子のクローニングを行っている.また,大量発現を目指してそれらの酵素タンパク合成を制御している遺伝子の解析も進めている.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A. Ohnishi, et al.: "Analysis of a catalytic acidic pair in the active center of cellulase from Aspergillus aculeatus"Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry. 63(12). 2157-2162 (1999)
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[Publications] T. Ooi, et. al.: "Analysis of 5'-upstream non-coding region of FI-carboxy methyl cellulase from Aspergillus aculeatus"Biotechnol. Lett.. 21. 735-739 (1999)