1999 Fiscal Year Annual Research Report
森林土壌系での窒素および炭素の無機化特性に及ぼす微生物の影響
Project/Area Number |
11460066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 輝昌 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20291297)
戸田 浩人 東京農工大学, 農学部, 助手 (00237091)
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Keywords | 森林土壌系 / 炭素 / 窒素 / 無機化特性 / 微生物 / 微生物バイオマス / 硝化細菌数 / 反応速度論的解析 |
Research Abstract |
台湾西海岸2地域のモクマオウ林土壌の化学的性質と微生物相に関するとりまとめを行った。モクマオウ林土壌の従属栄養細菌数、微生物バイオマス、硝化細菌数の特徴を明らかにし、日本林学会誌に発表した。群馬県にある東京農工大学演習林で、同一斜面の下部から上部にかけて試験地を設置し、鉱物土壌の窒素と炭素の無機化特性および土壌微生物相の特徴を調査し、斜面下部で硝化細菌数が多く、活発に硝化が行われていること、pH4.7を越えると高い硝化率を示すことなどを明らかにした。これらの結果を森林環境資源科学に発表した。 微生物による有機物の分解には、土壌水に溶存している有機炭素量が非常に需要である。そこで、スギおよびヒノキ壮齢林の降水の移動に伴う溶存有機炭素量を調査し、降雨から渓流までの溶存有機炭素の変化特性を明らかにした。また、樹種別の分解程度の異なる有機物の炭素および窒素の無機化特性を調査し、これらの結果についてを平成12年月に開催される第111回日本林学会大会で発表する予定である。 皆伐・火入れが土壌の窒素無機化特性および微生物相に及ぼす影響についてとりまとめ、皆伐・火入れで糸状菌や放線菌および微生物バイオマスが減少することなどを明らかにし、日本林学会誌へ投稿した。以上のように、窒素および炭素の無機化特性に及ぼす微生物の影響についての基礎的研究が実施された。今後は、土壌からのCO_2フラッスとバイオマスおよび微生物相との関係を明らかにしていく必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 陳、生原、戸田、張、許: "台湾西海岸2地域のモクマオウ林土壌の化学的性質と微生物相"日本林学会誌. 81・3. 219-225 (1999)
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[Publications] Hiroto Toda and Kikuo Haibara: "Effects of carbon properties on characteristics of nitrogen mineralization in forest soil of kanto region, Japan"Japanese Journal of Forest Environment. 41・2. 59-66 (1999)
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[Publications] 小柳,生原,戸田: "森林小流域での降水の移動に伴う溶存有機炭素の動態"第111回日本林学会発表予定. (2000)
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[Publications] 千原、戸田、生原: "樹種別の分解程度の異なる有機物の炭素・窒素無機化特性"第111回日本林学会発表予定.
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[Publications] 千原、小柳、戸田、生原: "森林土壌の窒素無機化に及ぼす土壌微生物相の影響"森林環境資源科学. 38. 97-106 (2000)