1999 Fiscal Year Annual Research Report
岩盤・土砂の風化による力学的性質変化の解明と斜面の危険度評価への応用
Project/Area Number |
11460067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
丸井 英明 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (10219545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 直喜 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 講師 (60282977)
山岸 宏光 新潟大学, 理学部, 教授 (80313500)
佐藤 修 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (00022624)
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Keywords | 化学風化作用 / 第三紀層泥岩 / 地すべり / せん断抵抗角 / 地すべり地形 / 変質安山岩 / 稗田山 / 崩壊地 |
Research Abstract |
平成11年度は基礎的なデータを収集・蓄積するための調査・研究を行った。その結果、以下のことが明らかになった。 (1)新潟県の第三紀層泥岩地すべり多発地帯である東頸城地域の地質・地形調査を行った。地すべり斜面の傾斜は層準によって異なる。樽田層、須川層の泥岩を基岩とする地すべり傾斜は5〜10°に集中し、田麦川層泥岩の地すべり斜面の斜面の傾斜は10〜15°に集中する。同じ第三紀層であっても、各層準毎に泥岩の物性が異なると考えられる。 (2)末風化の泥岩の粉体と風化した泥岩の粉体について、注意深く調整した試料を用いて、同一条件における単純せん断試験・リングせん断試験を行った。風化した泥岩のせん断抵抗角の方が大きくなる結果となった。化学風化作用によって鉱物組成が変化したことが大きなせん段抵抗角を示す要因と考えられる。一般に見られる風化した岩石・土砂の強度低下は、風化に伴う物質の変化ではなく、密度低下が密接に関係していると示唆される。 (3)長野県北部稗田山崩壊地においてSr同位体比を指標として安山岩の化学風化作用について考察した。地表水のSr同位体比は,0.7078〜0.7082の範囲内にあり,これは崩壊地周辺にみられる安山岩のSr同位体比の範囲内にある.このことは,地表水のSrが,崩壊地内部の安山岩の風化によってもたらされたことを支持する。 (4)第三紀層海成泥岩の化学風化作用においては、黄鉄鉱の酸化に起因する水-岩石相互作用が支配的である。一方、稗田山崩壊地においても変質安山岩に含まれる黄鉄鉱の酸化が安山岩の化学風化作用を支配している。 平成12年度は、岩石・土砂の化学風化過程と密度・力学的性質の変化に着目した研究を実施する。
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[Publications] 丸井英明: "1999年2月オーストリア国チロル州雪崩災害調査報告"砂防学会誌. 52巻3号. 81-84 (1999)
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[Publications] 守随治雄,丸井英明: "1999トルコ地震による被害調査"地すべり. 36巻3号. 117-124 (1999)
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[Publications] ビノド ティワリ,丸井英明: "Sliding Mechanism of Okimi Landslide and Analysis of Overall Blocks"新潟大学災害研年報. 21号(印刷中). (1999)
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[Publications] 丸井英明: "ハザード・ゾーニングと土地利用規制-オーストリアの事例-"新潟大学災害研年報. 21号(印刷中). (1999)
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[Publications] 丸井英明: "社会資本整備の最近の動向-防災の視点を入れて-"新潟大学災害研年報. 21号(印刷中). (1999)
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[Publications] 柚原雅樹ほか4名: "長野県稗田山崩壊地周辺に分布する岩石および地表水のSr・Nd同位体比組成"新潟大学災害研年報. 21号(印刷中). (1999)