2000 Fiscal Year Annual Research Report
クロマグロの発育初期における環境感応特性と行動制御に関する研究
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11460091
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
難波 憲二 広島大学, 生物生産学部, 教授 (10034472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安楽 和彦 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (50274840)
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Keywords | クロマグロ / 感覚 / 行動 / 代謝 |
Research Abstract |
水温26.0℃〜285℃において、クロマグロ仔稚魚1g当たりの酸素消費量は、仔稚魚の体重(乾燥重量)が10mg以下の場合、50〜250μl/02/minであった。体重が10mg以上になると、単位体重当たりの酸素消費量は減少する傾向を示した。アンモニア態窒素の排出量は、体重が10mg以下の場合は5〜50μg/Ng/minであった。水温が高くなると代謝が有意に上昇した。クロマグロ仔稚魚がL型ワムシを摂取する量は水温が高い方が多く、また仔稚魚の体重増加とワムシ摂取量の間には正の相関が認められた。酸素消費量にはこのような明瞭な相関が認められなかったことから、仔稚魚では成長に応じたエネルギーの蓄積が行われていることが確認された。 全長50.7〜96.8mmのクロマグロの網膜の視運動反を調べたところ、暗順応から明順応に移動するには7.52ルックスでは15minが必要であることが明らかになった。自然の夜明けの明るくなる早さは、クロマグロが暗順応から明順応するに要する時間よりも5minも早く、自然の光条件下では、暗順応から明順応に完全には移行できていないクロマグロは視覚的に不十分な状態(眼がくらむ状態)にあるので、この時にクロマグロは周囲の生簀網に衝突してしまう危険性があると考えられた。
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