2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域農業環境プログラムの形成原理と形成条件に関する総合的研究-九州・沖縄地域の環境保全型農業の類型区分にもとづいて-
Project/Area Number |
11460105
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横川 洋 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30007786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 柏 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80248624)
甲斐 諭 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70038313)
辻 雅男 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90284554)
山中 守 熊本大学, 教育学部, 教授 (70140952)
堀田 和彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192740)
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Keywords | 地域農業環境プログラム / 協力原則 / 汚染者負担原則 / 共同負担原則 / 基準値 / 適切な農業準則 / 環境支払い |
Research Abstract |
地域農業環境プログラムの形成原理と形成条件を解明するため、九州・沖縄を対象に九州・沖縄各地の15名の研究者を組織したが、研究者代表者は従来からドイツの農業環境政策から示唆を得てきたので、自らドイツの事例調査を行う一方、ホーエンハイム大学グロースコップ教授を招聘し研究会を開催して研究分担者との問題意識の一致を図った。 政策原理論的アプローチにより、地域農業環境プログラムの形成原理に関して解明が進んだ。前回の科研により、地域農業環境プログラムには外部不経済を低減するためのものと環境便益を維持、増進するためのものと2種類あることに対応して、費用負担方法に汚染者負担原則と共同負担原則と2種類あることが解明されていたが、今回は環境プログラムへの地域の当事者の参加を促進するための協力原則の解明が必要であった。2種類のプログラムのうち強制参加のプログラムの場合の参加=協力は、規制内容策定への参加や契約方式の開発であることが解明された。また、持続可能な地域農業環境プログラムであるためには経済、環境、社会・文化の3要因が均衡する必要があるが、そのための条件は環境保全的農産物の販路確保やグリーン・ツーリズム産業等を含むことである。 このような地域農業環境プログラムの形成の諸条件に関しては、研究分担者による九州・沖縄地域の事例分析によって具体的に解明された。事例の内容は多様であるが、前回の科研よりも地域環境プログラムの形成条件の解明としては深化していると判断される。
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[Publications] 横川洋: "OECD諸国の農業環境政策の形成原理と実施状況"環境経済・政策学会 1999年大会 報告要旨集. 1999年. 210-216 (1999)
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[Publications] 横川洋: "ドイツの水質保全プログラムにおける協力原則の適用-農業環境プログラムにおける合意形成の促進と実効性の確保のために-"2000年度日本農業経済学会論文集. 2000年. 210-216 (2000)
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[Publications] 甲斐諭: "企業的農業経営における収益性追求と環境保全との矛盾及びその統合"農業経済論集. 第51巻第1号. 1-11 (2000)
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[Publications] 山中守: "地域情報格差の社会経済分析"地域学研究. 第30巻(印刷中). (2001)
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[Publications] 戸島信一: "山村地域社会の変貌と伝統文化継承-宮崎県椎葉村を事例に"社会分析. 第28巻(印刷中). (2001)
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[Publications] 堀田和彦: "阿蘇地域における草原維持対策の実態とそのコスト問題"九州大学農学部学芸雑誌. 第55巻第1号. 111-127 (2000)