2001 Fiscal Year Annual Research Report
WTO体制下における米政策の経済的評価に関するシミュレーション分析
Project/Area Number |
11460107
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
清水 昂一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (80109553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 光弘 茨城大学, 農学部, 教授 (30302334)
茅野 甚治郎 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40163729)
森島 賢 立正大学, 経済学部, 教授 (50113634)
金田 憲和 東京農業大学, 国際食料情報学部, 講師 (30297593)
堀田 和彦 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (00192740)
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Keywords | 米 / 米政策 / シミュレーション分析 / WTO体制 |
Research Abstract |
本研究では、WTO体制下の米政策の選択肢について、シミュレーション分析の方法によって探ることを目的としている。平成13年度は、各研究分担者により、わが国や外国、国際米市場などに関する多様な研究がなされたが、そのうち、わが国の米需給の将来予測から今後の生産調整について考察した研究の結果をここでは紹介する。 わが国の米の消費減少傾向は緩やかになってきていると思われるが、1人1日当たり粗食料消費で予測すると、1999年の71.9Kgから2015年には60〜65Kgまで今後も減少すると見込まれる。これに伴い国内米消費量は1999年の990.5万トン(「食料需給表」速報値)から2015年には827.1万トン〜902.2万トンまで減少すると予測される。一方、2015年の平年単収は、535〜540Kgまで4%前後増加すると予測されるので、米需要をまかなうのに必要な需給均衡稲作面積は、2015年には139〜153万haまで減少する。これは2000年の水稲作付実績176万haよりも13〜22%の減少である。2015年の田本地面積は220万haまで減少すると予測できるが、需給均衡稲作面積との乖離は68〜82万haあり、今後とも田本地面積の35%前後は水稲以外の作物利用を進める必要がある。このため、一般転作作物の定着化が重要になっている。現在、一般転作作物にとられている手厚い補助金水準は、これらを進めるものであるが、その分配について問題がある。すなわち、経営受委託にともなう耕作者と地主間での生産調整補助金の分配は、地域によって異なるものの地主に大部分が移転し、実質的に地代を高めている実態がみうけられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 上岡美保, 井上洋一: "農家世帯における米消費の実態と意識に関する研究"『農村研究』. 第94号. 83-95 (2002)
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[Publications] 李衛紅, 中村耕二郎, 中川光弘: "中国における米生産の地域的特性とその将来予測"『農業経営研究』. 第40巻1号(掲載予定). (2002)
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[Publications] 小林弘明, 高木要, 内田正夫, 三浦郷子: "調査報告:タイの環境問題-アグロインダストリーをめぐって-"和光大学総合文化研究所『東西南北2002』. 55-84 (2002)
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[Publications] Arif Haryana, J.CHINO: "Interregional Productivity Comparison of Indonesian Agriculture Sector"『開発学研究』. 第12巻 第1号. 47-54 (2001)
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[Publications] Arif Haryana, J.CHINO: "Regional Analysis of Indonesian Agriculture Productivity"『2000年度日本農業経済学会論文集』. 256-258 (2000)
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[Publications] 鈴木充夫, 中川光弘, 平尾正之, 加島徹: "農業環境の変化と北海道農業-地理情報システムの適用-"北海道東海大学環境研究所『環境研究所所報』. 第5号. 151-165 (2000)
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[Publications] 農業政策研究会(代表 森島賢)編: "『国境措置と日本農業』"農林統計協会. 306 (2000)