2000 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥・収縮挙動が自然堆積粘土の理工学的性質に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
11460108
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
藤井 克己 岩手大学, 農学部, 教授 (30134513)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
取出 伸夫 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70212074)
足立 泰久 筑波大学, 農林工学系, 講師 (70192466)
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Keywords | 膨潤性粘土 / 凝集沈降 / 塩分濃度 / 電気伝導度 / 粘土粒子構造 / 透水性 / 粘性率 |
Research Abstract |
平成12年度は、研究代表者と3名の研究分担者が、担当地域に特徴的な粘土試料の調整を行ないながら、基本的な物性値の把握に努めた。 つまり研究代表者の藤井克己(岩手大学)は、八郎潟干拓地で代表的な膨潤性粘土モンモリロナイトを対象試料に選定し、そのサスペンション・ペースト状態における物性変化を粘性率測定を通じて把握した。特にこれらの流動曲線結果より降伏値を導出し、これに及ぼす間隙溶液の塩濃度の影響を定量的に明らかにした。加えて、非膨潤性で安定な粘土鉱物カオリナイトについても、比較のための実験を行ない、その粘性率の時間変化を粘土粒子の構造変化との関わりで考察した。 一方、研究分担者の足立泰久(筑波大学)は、引き続き、淡水環境にある粘土粒子のイオン濃度変化による凝集沈降の様子を、顕微鏡写真撮影装置により観察し、その沈降速度を画像データ処理により解析した。これに加えて、取出伸夫(佐賀大学)は、有明海堆積粘土をサンプリングし、海水環境下におかれた粘土の透水性、電気伝導度と試料固相率、塩分濃度との関係について実験的な検討を展開した。 平成13年度は、本研究計画の最終年度であり、3地区で異なる粘土試料の実験データの共有化と知識の総合化を図り、乾燥・収縮挙動の理工学的性質への影響を、粘土粒子の構造変化という観点から検討を加える。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 藤井克己 ら: "カオリナイト懸濁液の定常粘性率における時間依存性"農業土木学会論文集. No.210. 29-35 (2000)
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[Publications] Katsumi Fujii et al.: "Flow properties and yield stresses of dilute sodium-montmorillonite suspensions"Clay Science. vol.11. 205-217 (2000)
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[Publications] 藤井克己 ら: "モンモリロナイト懸濁液の降伏値の塩濃度依存性"第44回粘土科学討論会講演要旨集. 平成12年度. 208-209 (2000)
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[Publications] Yasuhisa Adachi et al.: "On the steady shear viscosity of coagulated suspensions"日本レオロジー学会誌. vol.28. 143-144 (2000)
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[Publications] 藤井克己 ら: "レオロジー工学とその応用技術"フジ・テクノシステム. 891 (2001)
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[Publications] Nobuo Toride et al.: "Clay Science for Engineering"Balkema,Rotterdam. 606 (2001)