1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11460113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
赤江 剛夫 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (10123423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天谷 孝夫 岐阜大学, 農学部, 教授 (80033265)
三野 徹 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10026453)
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Keywords | 凍結 / 融解 / 水分移動 / 塩分移動 / 凍結深 / 塩分集積 |
Research Abstract |
本研究の試料土壌であるレス(LiC)の基礎的物理化学性を測定した。測定項目は、粒径分布、土粒子密度、比表面積、EC_<1:2>、pH、陽イオン交換容量、陽イオン組成、コンシステンシーである。また、パルス法によって、熱伝導率を測定した。 試料土壌を風乾し、2000ppmNaCl溶液で、含水比20%および25%に調整し、直径5cm、長さ20cmのアクリル製円筒カラムに乾燥密度1.4g/cm^3で充填した。深さ2cmごとに熱電対を埋設し、データロガーに接続して温度変化を記録した。カラムを断熱容器に入れて、インキュベーター中で3℃に温度平衡させた。銅製の冷却槽をカラム上端に設置し、温度を制御した冷媒を循環させて土壌を凍結させた。-10℃を連続する方法と、24時間かけて-20℃まで徐々に冷却する2方法で凍結させた。所定の深さまで凍結が進んだ後、上面を開放し、庫内温度を3℃あるいは10℃に設定して融解させた。同じ条件のカラムについて、凍結開始前、最大凍結時、融解過程3段階でカラムを取り出し、2cmごとに分断して、土壌水分、塩分含量を測定した。 積算寒度(F)法によって凍結深dを予測する(d=a√<F>)時、本試料の係数aは3.48となった。凍結過程においては、下層から表層へ向けての水分移動が生じ、凍結前線以上で特に表層での水分増加、前線以下特に前線直下で水分減少が発生した。水分変化は初期水分が高いほど大きく、-10℃連続の方が表層含水比が高くなった。土壌中塩分濃度も含水比分布と同様の変化を見せ、凍結過程で水分移動とともに塩分移動が発生することが確認された。融解過程では開放した表層から蒸発が生じ、表層付近での水分減少が生じ、表層塩分濃度の著しい上昇がもたらされた。この傾向は、融解温度10℃よりも3℃で著しく、融解速度が遅いほど表層への塩分集積が顕著となることが分かった。
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