1999 Fiscal Year Annual Research Report
施設園芸作物の生育診断・栽培管理のための光情報の統合化
Project/Area Number |
11460120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 英司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00186884)
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Keywords | 光 / 生体情報 / 植物 / クロロフィル蛍光 / 水分ストレス |
Research Abstract |
本研究は、光センシングによる非破壊計測を、施設園芸など植物栽培における診断・栽培管理に応用するための計測技術に高めることを目的とする。具体的には、植物への光照射による非破壊非接触で得られる蛍光・発光および反射光・分光スペクトルを計測する手法を確立し、計測値と植物反応、ストレス状態、栄養状態との関係を定量的、定性的に解明し、生育診断または栽培管理へ導入する際の手がかりとなる情報を提供する。たとえば、水ストレスを早期に発見し制御することは作物の品質向上および水分環境管理に有効である。現在水ストレスの指標に関して多くの研究がされているが、実用的な水ストレス測定法はあまり提案されていない。 そこで本年度は、光強度を変化させて光合成反応系の電子伝達率と相関を持つクロロフィル蛍光パラメータであるYield(ΔFm/Fm')を反復して計測することにより、実際の栽培作物の水分状態・水ストレス状態を明期条件下において非破壊・非接触で検出する測定法の可能性を検討した。第一段階として、実験材料としてホウレンソウ(Spinacia oleracea L.)の生長状態の均一な十分に成熟した葉を用い、測定方法を確立することを目的とする実験を行った。ホウレンソウの根部をPEG混合養液(水ポテンシャルは-0.8MPa)に浸し水ストレスをかけ、葉中の水ポテンシャル、従来から用いられている一回の飽和パルス光照射によるYield(ΔFm/Fm')の経時変化の測定、および新たに考案した反復Yield測定法によるYield曲線の測定を行い、検出できる情報量の比較を行った。
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