2000 Fiscal Year Annual Research Report
高親和性IgEレセプター特異的シグナル伝達分子を介するT型アレルギーの制御
Project/Area Number |
11460139
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
後飯塚 僚 東京理科大学, 生命科学研究所, 助教授 (50301552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 克彦 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20287486)
辻 佐智代 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (60297629)
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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Keywords | アレルギー / シグナル伝達 / IgEレセプター / マスト細胞 |
Research Abstract |
本年度は、ES細胞を用いた標的組み換え法により、MIST欠損マウスの作製を行った。前年度構築した翻訳開始コドンを含むMIST遺伝子の第2エクソンをEGFP遺伝子およびloxP配列に囲まれたneo耐性遺伝子に置換し、その両端に相同領域をもつターゲティングコンストラクトを129/sv由来のES細胞であるE14細胞に導入し、G418およびGanciclovir存在下で培養し、332個の薬剤耐性クローンのうち、3クローンが相同組み換えによる変異アレルを持つことが確認された。さらに、これら3つのクローンにCre recombinaseを一過性に発現させ、変異アレルに存在するneo耐性遺伝子をloxP配列の組換えにより欠失させた。それらのneo耐性遺伝子を欠失させたクローンに再度ターゲティングコンストラクトを導入し、薬剤耐性クローンをスクリーニングすることにより、両方のアレルにMIST遺伝子の変異を持つES細胞クローンを得た。また、片方のアレルにMIST遺伝子の変異を持つES細胞を、BALB/cマウスのblastocystにインジェクションすることにより、キメラマウスを作製し、ES細胞のcontributionの高いキメラマウスとBALB/cマウスの交配により、毛色による判断からES細胞由来と考えられるF1子孫マウス188匹を得た。そのうち2匹において変異アレルの伝搬が確認された。さらに、その変異アレルを有するF1マウスと野生型の雌を交配させることにより、ES細胞由来の変異アレルを持つ11匹のF2マウスを得た。現在、MIST遺伝子へテロ変異マウス同士の交配によりホモ変異マウスを作製し、高親和性IgEレセプター刺激によるマスト細胞の脱顆粒反応などに与えるMIST欠損の影響について解析を進めている。
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[Publications] Katsuhiko Hayashi et al.: "The B cell-restricted adaptor BASH is required for normal development and antigen receptor-mediated activation of B cells"Proc.Nate.Acad.Sci,USA. 97・6. 2755-2760 (2000)
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[Publications] Ryo Goitsuka et al.: "A BASH/SLP-76-related adaptor protein MIST/Clnk involved in IgE receptor-mediated mast cell degranulation"Int.Immunol,. 12・4. 573-580 (2000)
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[Publications] Noemi Fusaki et al.: "BLNK is associated with the CD72/SHP-1/Grb2 complex in the WEH1231 cell line after membrane IgM cross-linking"Eur.J.Immunol.. 30. 1326-1330 (2000)
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[Publications] Toshifumi Morimura et al.: "Cell cycle arrest and apoptosis induced by Notch1 in B cells"J.Biol.Chem.. 275・47. 36523-36531 (2000)
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[Publications] Toshifumi Morimura et al.: "Notchsignaling suppresses IgH gene expression in chicken B cells : Implication in spatially restricted expression of Serrate2/Notch1 in the bursa of Fabricius"J.Immunol.. 166. 3277-3283 (2001)
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[Publications] 後飯塚僚: "マスト細胞のFcqレセプターIシグナル伝達におけるアダプター分子の役割"臨床免疫. 33・6. 647-653 (2000)
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[Publications] 後飯塚僚: "マスト細胞に発現するBASH/SLP-76ファミリーシグナル伝達分子"医学のあゆみ. 192・10. 1027-1031 (2000)
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[Publications] 後飯塚僚: "マスト細胞に発現するSLP-76ファミリーアダプター分子(MIST)"アレルギー科. 9・5. 416-422 (2000)
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[Publications] 後飯塚僚: "サイトカインによって発現誘導される免疫レセプターシグナル伝達分子MIST/ClnK"Immunology Frontier. 10・3. 174-178 (2000)
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[Publications] 後飯塚僚: "Fe受容体シグナル伝達に関与するアダプター分子"最新医学 . 55・10. 2287-2295 (2000)
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[Publications] 後飯塚僚: "マスト細胞の脱顆粒に関与するシグナル伝達分子"喘息. 13・4. 53-58 (2000)
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[Publications] 藤村雄一: "ホールマウントin situハイブリダイゼーション"Organ Biology. 7・4. 69-79 (2000)