コプラナーPCBsの生体影響評価:エンドポイント生殖毒性と量-反応関係

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11460147
• Research Institution: Azabu University
• Principal Investigator: 赤堀 文昭 麻布大学, 獣医学部, 教授 (70063964)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 池川 直 帝人(株), 医薬品研究所, 研究員 ; 坂口 和子 麻布大学, 環境保健学部, 講師 (40153879) ; 白井 明志 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60235728) ; 代田 真理子 (財)食品薬品安全センター, 秦野研究所, 研究員
• Keywords: コプラナーPCBs / 生殖毒性 / エンドポイント

Research Abstract

ダイオキシンに近い毒性を有し、その汚染濃度はダイオキシンを上回るとして危険性が指摘されているコプラナーPCBsの生殖・発生毒性における最終的影響の量-反応関係を明かにすることにより、毒性評価のための科学的証拠を蓄積することを目的とした。
1.経胎盤経乳汁的にコプラナーPCBで曝露されたラットに誘起排卵処置を行って排卵検査を行った。その結果、排卵数および子宮重量に、用量に依存した影響が認められ、エンドポイントになることが明らかになった。
2.春機発動に明瞭な系統差のある二系統の近交系ラット(HAAおよびLAA)を、生後1日からSprague-Dawley系母ラットに哺育させた。その結果、本来は、HAAと比べて生下時体重は大きいが、体重増加が少ないため離乳時体重が低くなるLAAは、養母交換によって順調に発育し、離乳時体重がHAAを上回った。しかし、春機発動時期はやや早まる程度で、HAAには及ばなかった。HAAも養母交換によって離乳時体重が本来の母動物に哺育された場合を上回ったが、春機発動時期がさらに早まることはなかった。
3.3,3',4,4',5,5'-hexaCBを胎生期に母体経由で暴露したラットを用いて生後1週から15週の子の血漿中サイロキシン(T4)濃度を測定した。その結果、血漿中T4濃度に変化は認められなかった。
4.3,3',4,4',5,5'-hexaCBを胎生期に母体経由で暴露したラットを用いて生後1週から15週の子の肝ミクロソームP450 CYP1A1およびCYP1A2の動態をウェスタンブロッティング法にて検討した。その結果、雌雄ともに、測定を行ったすべての週齢においてCYP1A1およびCYP1A2の著しい誘導が認められた。
以上の成果の一部は、第93回繁殖生物学会、第130回日本獣医学会において口頭発表した。