1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大隈 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若松 義雄 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60311560)
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Keywords | 神経発生 / Pax6 / 前脳分節 / 大脳新皮質 / bHLH転写因子 / 神経細胞分化 / Notchシグナル / 介在神経細胞 |
Research Abstract |
高次脳機能の発現のためには、まず胎生期においてさまざまな性質を有する多数のニューロンが生み出され、正確に細胞体が配置され、軸策がそれぞれ特異的な領域へ投射することにより統合された回路を形成する必要がある。近年このような初期のニューロンの配置と回路形成が脳の分節的構築を基盤としていることが明らかになりつつある。脳の分節的構造は単に形態的な単位であるばかりでなく、多数の形態形成遺伝子やシグナル分子の発現領域にも一致することが報告されている。脳の領域特異的に発現する遺伝子の中で転写因子をコードするPax6遺伝子は前脳P1〜P4領域の背側、および菱脳・脊髄の腹側に発現することが分かっている。本研究では実験発生学的手法と分子形態学的手法を駆使することにより、Pax6の神経発生に対する役割、すなわち脳分節形成・維持、神経細胞の分化、および軸策伸長に対する機能を解析することを目的としている。 本年度は以下のような研究成果が得られた。 1)全胚培養下で神経上皮細胞の標識と追跡を行うことにより、前脳分節形成様式を細胞レベルで解析した。これによって哺乳類脳の予定運命地図を描くことができた。 2)Pax6が発現している大脳新皮質での神経細胞の分化異常について、変異ラット胚で各種分子マーカーの発現様式を調べることにより検索し、bHLH転写因子群の発現様式が変化していることが明らかになった。 3)Pax6変異ラット胚腹側介在ニューロンの分化異常について、DeltaやJaggedなどNotchに対するリガンド遺伝子の発現変化を明らかにした。 4)さらに全胚培養系と電気穿孔法による遺伝子導入系を用いて、正常ラット胚神経管にDelta遺伝子を強制発現したところ、介在神経サブタイプ分化の異常を誘導することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Torii M.,Matsuzaki F.,Osumi N. et al.: "Transcription factors Mash-1 Prox-1 delineate early steps in differentiation of neural stem cells in the developing central nervous system"Development. 126. 443-456 (1999)
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[Publications] Kawano H.,Fukuda T.,Kubo K.,Horie M.,Takeuchi K.,Osumi N. et al.: "Pax6 is required for the thalamocortical pathway formation in fetal rats"Journal of Comparative Neurology. 408. 147-160 (1999)
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[Publications] Kamitori S.,Machide M.,Osumi N.and Kohsaka S.: "Expression of receptor tyrosine kinase RYK in developing rat central nervous system"Developmental Brain Research. 114. 149-160 (1999)
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[Publications] Shimoda Y.,Tajima Y.,Nagase T.,Harii K.,Osumi N.,and Sanai Y.: "Cloning and expression of a novel galactoside b1,3-glucuronyltransferase involved in the biosynthesis of HNK-1 epitope"Journal of Biological Chemistry. 274. 17115-17122 (1999)
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[Publications] Akamatsu W.,Okano H.J.,Osumi N. et al.: "Mammalian ELAV-like neuronal RNA-binding proteins HuB and HuC promote neuronal development in both the central and the peripheral nervous systems"Proc Natl Acad Sci USA.. 96(17). 9885-9890 (1999)
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[Publications] Ishii Y.,Nakamura S.and Osumi N.: "Demarcation of early mammalian cortical development by differential expression of fringe genes"Developmental Brain Research. 119. 307-320 (2000)