2002 Fiscal Year Annual Research Report
生組織標本における細胞内情報伝達系の可視化:リアルタイム共焦点顕微鏡の応用
Project/Area Number |
11470007
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 洋一 岩手医科大学, 医学部, 教授 (40118253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野寺 悟 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40137493)
渡部 剛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (80220903)
葉原 芳昭 北海道大学, 獣医学部, 教授 (30142813)
春見 達郎 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00261404)
斎野 朝幸 岩手医科大学, 医学部, 助手 (40305991)
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Keywords | 細胞内カルシウムイオン / 細胞核内カルシウムイオン / 共焦点レーザー顕微鏡 / 画像解析 / 生組織・細胞標本 / フリーラディカル / ATP |
Research Abstract |
【研究内容】 ◆ATPによって引き起こされる細動脈のカルシウム濃度変動に及ぼす、ジピリダモールの効果を解析する(斎野担当) ◆細胞核と細胞質のカルシウム濃度変動の相違を解析する(佐藤担当) ◆後根神経節における反応性が、発達と加齢によりどのように変化しているか検討する(佐藤と小野寺担当) ◆ミュータントSERCAを導入された細胞の[Ca^<2+>]_i動態を観察する(斎野担当) ◆レーザー照射に伴う光障害の例として、肥満細胞とポルフィリン含有ハーダー腺のフリーラディカル産生を観察する(肥満細胞:佐藤と葉原担当、ハーダー腺:渡部と春見担当) 【結論】 ●ジピリダモールは、従来言われていたような、cGMPを介する平滑筋弛緩作用の他に、カルシウム流入を抑制する効果があることが確かめられた。 ●P2Y受容体を介するカルシウム上昇は、核膜周辺部から始まり、細胞核内のカルシウム上昇は一気に起きるが、細胞質におけるカルシウム波はゆっくりおきることが明らかになった。 ●スライス標本による後根神経節の実験システムを確立することができたが、当初の計画は達成できなかった。 ●C末端のストップコドン除去SERCAcDNAを作成したが、カルシウム濃度変動の解析をするに至らなかった。 ●レーザー光照射で、NOや他のフリーラディカルが増生することが確かめられた。これはNOS非依存性であった。とりわけ、細胞質に光感受性物質のポルフィリンを含有しているハーダー腺は細胞がアポトーシスをおこし、しかも、乾燥した腺細胞の残渣もフリーラディカルを増生することがわかった。自然界においては、太陽光によるフリーラディカル産生が広汎におきている可能性がある。
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[Publications] Kubo-Watanabe, S., Satoh, Y., Saino, T.: "ATP-induced [Ca^<2+>]_i changes through gap-junctional communication in the corneal epithelium"Jap. J. Ophthalmol.. 46. 479-487 (2002)
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[Publications] Saino, T., Matsuura, M., Satoh, Y.: "Application of real-time confocal microscopy to intracellular calcium ion dynamics in rat arterioles"Histochem. Cell Biol.. 117. 295-305 (2002)
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[Publications] Saino, T., Matsuura, M., Satoh, Y.: "Comparison of the effect of ATP on intracellular calcium ion dynamics between rat testicular and cerebral arteriole smooth muscle cells"Cell Calcium. 32. 155-165 (2002)
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[Publications] Kubo-Watanabe, S., Goto, S., Saino, T., Tazawa, Y., Satoh, Y.: "ATP-induced [Ca^<2+>]_i changes in the human corneal epithelium"Arch. Histol. Cytol.. 66(in press). (2003)
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[Publications] Gesase, A.P., Satoh, Y.: "Apocrine secretory mechanism : recent findings and unresolved problems"Histol. Histopathol.. 18(in press). (2003)