2000 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流Kチャネルの電位依存性開閉機構と細胞内スペルミンによるブロック
Project/Area Number |
11470013
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 浩一郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80094465)
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Keywords | 内向き整流Kチャネル / スペルミン |
Research Abstract |
平成11年度は、内向き整流Kチャネル(IRK1)遺伝子の野生型(WT)、D172N変異体、およびこれらを直列に連結した四量体(WT-(D172N)2-WT)をCOS1細胞に導入し発現させ、単一チャネル電流を記録し、細胞内スペルミンの作用を検討した。今年度は、これを継続するとともに、以下の検討を加えた。(1)細胞内Mgイオンやスペルミンの結合部位として、今までにD172とE224が知られている。ほかの結合部位をさがすため、IRK1-3では負の電荷を持つが,強い内向き整流特性を示さないROMK1では中性である205番めのアミノ酸に注目し、D205G変異体を作製した。この変異体が発現した細胞では、WTを発現させた細胞と同様に、K平衡電位の正側から負側に細胞内電位を変えると、内向きの全細胞電流がゆっくり活性化した。また、外向き単一チャネル電流の開確率は、強い電位依存性を示し、低濃度の細胞内Mg存在下で、単位電流の1/3を単位とするサブレベルを認めた。したがってこの部位に細胞内Mgやスペルミンは結合せず、内因性開閉機構にも関与しないと結論した。(2)細胞内液pH調節のため用いるHEPESが、IRK1チャネルを電位依存性にブロックし内向き整流特性を起こすと報告された。このため、5mM HEPESの代わりにPO_4 bufferを用いて細胞内液を作り、inside-out法で、WTの外向き単一チャネル電流を記録した。開確率は、HEPESを用いた時と同様に、強い電位依存性を示し、+50mV以上での開口は見られなかった。
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