2001 Fiscal Year Annual Research Report
内向き整流Kチャネルの電位依存性開閉機構と細胞内スペルミンによるブロック
Project/Area Number |
11470013
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 浩一郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80094465)
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Keywords | 内向き整流Kチャネル / スペルミン |
Research Abstract |
本研究では内向き整流Kチャネル(IRK1 ; Kir2.1)遺伝子の野生型(WT)、D172N変異体、およびこれらを直列に連結した四量体(WT-(D172N)2-WT)をCOS1細胞に導入し、発現させたチャネルの外向き単一チャネル電流を記録し、細胞内スペルミンの抑制効果を検討した。今までWTチャネルについては脱分極パルス中の平均電流をもとめ、その減衰時間を計測していたが、平成13年度は、D172NおよびWT-(D172N)2-WTチャネルで行ったのと同様に、膜電位を+42mVに保持し、定常状態で外向き電流を記録した。開時間ヒストグラムは1つの指数関数でfitでき、平均開時間は、コントロール時53.1msであった。閉時間ヒストグラムのfittingには2つの指数関数が必要で、時定数は速い方が1.1-1.3ms、遅い方が130-345msであった。細胞内スペルミン存在下で、開時間は37.8ms(1nM)、11.7ms(10nM)に減少するとともに、零電流時間は著明に延長した。100nMスペルミン存在下では+40mVで定常状態で外向き電流は記録できなかった。コントロール時、1つの開状態(O)と2つの閉状態(C_1,C_2)があり、細胞内スペルミンによる抑制状態(blocked state ; B)が加わることが示唆される(B⇔O⇔C_1⇔C_2)。このモデルに基づき、それぞれの平均開時間より、OからC_1へのclosing rate 18.8 s^<-1>、blocking rates 7.7 s^<-1>(1nM)、66.7 s^<-1>(10nM)をもとめた。100nMでのblocking rateは平均電流の減衰の時定数からもとめた(526.3 s^<-1>)。blocking ratesは、ほかの2つのチャネルでもとめた値に近かった。
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Research Products
(1 results)