2000 Fiscal Year Annual Research Report
長期臥床による起立耐性・体温調節能低下に関する神経性機序のニューログラム解析
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11470017
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 順子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00175134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 敏 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (90184879)
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Keywords | 起立性低血圧 / 微小重力環境 / 6°ヘッドダウンベッドレスト / 運動 / 筋交感神経活動 / 精神的負荷 / 圧受容器反射 / 体温調節 |
Research Abstract |
本年度は、長期臥床後の自律神経系の心循環調節機能の変化を解明することを主な目的として、若年健康男性13名(平均年齢23歳)を対象として、微小重力環境模擬法である6°ヘッドダウンベッドレストを14日間実施した。被験者は、ベッドレスト実験中、食事や排泄を含めたすべての生活をこの姿勢で行い、ナーススタッフが生活上の不便な点を手助けした。食事摂取量は2,100kcal/日に管理されたが、水分摂取量は被験者の自由とし、結果として約1,200ml/日であった。ベッドレスト前後に、±10°の受動的体位変換試験、運動負荷試験(最大随意筋力の70%で2分間の足関節底屈運動、最大随意筋力の70%で疲労困憊までの掌握運動)、精神的負荷試験(10分間の暗算)および全身暑熱負荷試験(41℃の湯を手術用体温制御器に灌流)を実施した。体位変換試験における筋交感神経活動(微小神経電図法で測定)の変化量と末梢静脈圧の変化量の比から算出した心肺圧受容器反射感度は、ベッドレスト後に有意に低下した。この心肺圧受容器反射機能の減弱は、長期臥床後の起立耐性低下の一要因であると考えられる。運動負荷試験における筋交感神経活動の増加反応は、ベッドレスト後、掌握運動では保持されていたが、最大随意筋力の12%低下した足関節底屈運動では有意に低下した。さらに、運動後に活動筋への血流を遮断する運動後筋虚血時における筋交感神経活動の増加反応は、ベッドレスト後、両運動試験とも有意に低下し、筋代謝受容器反射機能の減弱が示唆された。精神的負荷試験では、筋交感神経活動の増加反応が増強し、末梢血管拡張反応は減弱した。全身暑熱負荷試験において、ベッドレスト後には、発汗および皮膚血管コンダクタンスの増加反応が始まる温度(閾値)は高温側へ上昇し、温度上昇あたりの増加反応量(感度)は低下したことより、長期臥床後には体温調節機能が低下することが示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] KAMIYA Atsunori,IWASE Satoshi,MICHIKAMI Daisaku,Fu Qi,MANO Tadaaki: "Head-down bed rest alters sympathetic and cardiovascular responses to mental stress"American Journal of Physiology (Regulatory, Integrative and Comparative Physiology). 279. 440-447 (2000)
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[Publications] FU Qi,IWASE Satoshi,KAMIYA Atsunori,MIHIKAMI Daisaku,NIIMI Yuki,MANO Takaaki: "Regulation of the venous capacitance during microgravity"Journal of Gravitional Physiology. 7. 19-22 (2000)
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[Publications] 桜井秀幸,神谷厚範,新美由紀,傅埼,道上大策,川の口潤,岩瀬敏: "ヒトの微小重力曝露後の心肺圧受容器反射機能"Space Utilization Research. 17. 31-34 (2001)
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[Publications] CUI Jian,IWASE Satoshi,MANO Tadaaki,NIIMI Yuki,FU Qi,MIHIKAMI Daisaku,ATSUTA Sachiko,KAMIYA Atsunori,and USUI Hiroaki: "Body temperature and skin blood flow during a 14 day bed-rest in a head-down tilt position in humans"Journal of Gravitational Physiology. 7. 133-134 (2000)
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[Publications] 間野忠明: "自律神経と宇宙医学.:Annual Review 2000 XV.自律神経疾患"中外医学社. 288-293 (2000)