1999 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎トランスジェニックマウスを用いた肝癌発症機構の研究
Project/Area Number |
11470061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
江角 真理子 日本大学, 医学部, 助教授 (30167291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日置 恭司 実験動物中央研究所, 室長
楠美 嘉晃 日本大学, 医学部, 講師 (60186393)
宇野 正恒 日本大学, 医学部, 講師 (30150709)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / 肝細胞癌 / トランスジェニックマウス / アルブミンプロモーター |
Research Abstract |
1 肝炎、肝癌発症に関する動物実験 (1)全長ウイルス遺伝子を導入したALB-HN2(アルブミンエンハンサー・プロモーター制御)とME-HN2(SRαプロモーター制御)のラインから、A44,A39,A48,M2,M5の5ラインについて凍結胚を融解し、飼育繁殖した。1ラインにつき雄20雌20の個体を確保し、導入遺伝子陰性のコントロール群として、A44,A48,M2の3ライン作出時における同腹個体を、各雄20雌20準備した。 (2)免疫系移入用のマウスを作製するために、同系マウスにC型肝炎ウイルス、各種リコンビナントウイルス抗原を免疫し、免疫系の誘導を確認した。免疫系については、エピトープ解析、生物活性測定を行った。 2 トランスジェニックマウスの解析 まず、ウイルス蛋白質発現だけで肝炎、肝癌の発症をみることができるか、上記観察個体を定期的に1年、2年で屠殺し、各臓器についてウイルスmRNA、ウイルス抗原、肝炎肝癌の有無を検索した。ラインA44は、導入遺伝子のメチル化を脱メチル化剤5-アザシチジン投与により解除すると、発現誘導を起こしやすいラインであった。脱メチル化剤を投与せずに自然発現誘導を観察したところ、1年齢22個体では観察できなかったが、2年齢16個体では12個体の肝臓に発現を認めた。これらのうち2例にのみ高度のリンパ球浸潤を観察したが、他の10例は導入遺伝子陰性コントロール群17個体と肝組織像に差は認められなかった。発現陰性個体1例の肝臓に、adenomaが観察されたが、導入遺伝子発現とは無関係のbackground病変と考えられた。今後他のラインについても解析を進め、発現と肝病変の関わりを明らかにする。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Zhou Y. 他: "Multiple sequence-reactive antibodies induced by a single peptide immunization with hypervariable region 1 of hepatitis C virus."Virology. 256(2). 360-370 (1999)
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[Publications] 江角真理子 他: "Experimental vaccine activities of recombinant E1 and E2 glycoproteins and hypervariable region 1 peptides of hepatitis C virus in chimpanzees."Archives of Virology. 144(5). 973-980 (1999)
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[Publications] 三松謙司 他: "Transgenic mice carrying the whole genome of hepatitis C virus"Hepatitis C & Related Viruses. (abstract). 164 (1999)
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[Publications] Zhou Y. 他: "Monoclonal antibodies to the hypervariable region 1 of hepatitis C virus capture virus and inhibit virus adsorption to the susceptible cells in vitro."Virology. (in press). (2000)