2000 Fiscal Year Annual Research Report
ウェルシュ菌イプシロン毒素の向神経性と神経細胞障害の分子機構に関する研究
Project/Area Number |
11470069
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Research Institution | Kagawa Medical University |
Principal Investigator |
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 茂 香川医科大学, 医学部, 助手 (90314913)
片山 誠一 香川医科大学, 医学部, 助手 (70169473)
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00209537)
徳田 雅明 香川医科大学, 医学部, 教授 (10163974)
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
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Keywords | Clostridium perfringens / ε毒素 / レセプター / 毒素複合体 / シナプトソーム / 免疫染色 / 膜可溶化 |
Research Abstract |
ウェルシュ菌のε毒素のレセプター分布を組織学的に検討するために、まず^<125>I標識の活性型毒素をマウスの静脈内に投与しwhole body autoradiographyを行った。脳と腎臓に集積が見られたが、甲状腺、胃、唾液腺などにも集積していた。投与後のIodolysisも考えられたので、結合の特異性を上げるために、^<14>C標識の活性型毒素を精製して同様の実験を行った。この場合、脳脊髄と腎臓に特異的な集積が認められた。免疫染色で、海馬を中心とする脳の広範な部分と、腎臓では糸球体を中心に毒素の結合が見られた。毒素のアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製した一次抗体を使用しているにもかかわらず、脳、腎臓ともに非特異的な染色が強かった。組織成分中にはこの抗体と反応する蛋白が存在しており、それぞれの組織成分で吸収した抗体、モノクローン抗体による免疫染色を試みている。シナプトソーム膜に対する毒素の作用機構を^<125>I標識毒素を用いて検討した。膜にはモノマー状態の活性型毒素が検出されるが、インキュベーションとともに、毒素複合体が形成されること、また毒素複合体は7量体であることがリン酸化部位をN末端に付加し^<32>Pで標識した毒素とシークエンス用ゲルの使用で明らかとなった。不活性の前駆体毒素(C末端のプロペプチドを持つ)は複合体を形成しないが、活性型毒素による複合体形成を濃度依存的に阻害する。したがってC末端プロペプチドはおそらくレセプター結合部位ならびに膜との相互作用に必要な部分に影響を与えないが、複合体形成に必要な領域をマスクしていると考えられた。レセプターの分離同定のためのシステムとして、大量のシナプトソーム膜の調製法(アルカリ洗浄法)と分別可溶化法を考案し、さらに高感度の免疫学的検出方法(毒素との結合性を抗毒素抗体で検出-スロットブロット、ウェスタンブロット法)と、毒素アフィニティークロマトグラフィーを確立した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miyamoto,O.: "Clostridium perfringens epsilon toxin causes excessive release of glutamate in the mouse hippocampus."FEMS Microbiol Lett.. 189・1. 109-113 (2000)
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[Publications] Miyata,S.: "Cleavage of a C-terminal peptide is essential for heptamerization of Clostridium perfringens epsilon-toxin in the synaptosomal membrane."J.Biol.Chem.. (in press). (2001)