1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11470082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 誠治 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50282455)
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (20208523)
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Keywords | c-Fos / BCL6 / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス / メモリーB細胞 / 血球系幹細胞 / 転写抑制 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究は成熟B細胞の胚中心での分化過程におこる自己反応性B細胞の出現とそのアポトーシス機構を転写因子(c-FosやBCL6遺伝子)のレベルで明らかにすることを目的とした。そのためこれらの遺伝子を欠損させたマウスや発現誘導型にしたトランスジェニックマウスを作製して解析した。その結果、以下の点を明らかにした。 1)c-Fosの過剰発現により血球系幹細胞は様々の分化増殖刺激を与えても分化増殖せずに、dormantの状態を保っていた。さらに、c-Fos過剰発現を中止するとこの幹細胞は分化増殖を再開したことから、c-Fosの過剰発現はB細胞系列に細胞の分化増殖障害を誘導すると考えられた。 2)BCL6を脾臓B細胞で強発現するTg(Ig-BCL6)マウスを確立した。その中の一系統において、B細胞が活性化されたときにのみ外来性BCL6遺伝子の発現誘導が起きるTgマウスが得られた。このIg-BCL6マウスを抗原刺激した後の抗体産生をELISA法で解析したところ、IgMとIgG1クラスの一次抗体産生や二次抗体産生が増強していた。さらに、胚中心の形成も増強していた。これらの結果から、BCL6は脾臓におけるB細胞の分化過程において、その生存を正の方向へ調節していることを明らかにした。この様にBCL6の発現量を一次的に変動させることによりメモリーB細胞の誘導に変化が見られたことから、B細胞中のBCL6の発現量を部分的にでも低下させることにより、メモリーB細胞の誘導を部分的にも制御しうることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Okada, S.: "Overexpression of c-fos suppresses cell cycle entry of dormant hematopoietic stem cells"Blood. 93. 816-825 (1999)
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[Publications] Yoshida, T.: "A role of Bc16 in mature cardiac myocytes"Cardiovasc. Res.. 42. 670-679 (1999)
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[Publications] Kobayashi, K.: "Expression of a murine homologue of inhibitor of apoptosis protein(IAP) is related to cell proliferation"Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. 96. 1457-1462 (1999)
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[Publications] Iitsuka, Y.: "Transcriptional regulation of the Ncx (Enx, Hox1 1L1) gene in neuronal cells derived from neural crest"J. Biol. Chem.. 274. 24401-24407 (1999)
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[Publications] Kawasaki, H.: "Increased c-Fos/AP-1 confers resistance against anergy on antigen-specific T cells"Int. Immunol.. 11. 1873-1880 (1999)
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[Publications] Honda, A: "Hepatitis C virus structural proteins induce liver cell injury in transgenic mice"J. Med. Virol.. 59. 281-289 (1999)