1999 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞の分化とアイソタイプ変換の分子機構とその制御
Project/Area Number |
11470083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高津 聖志 東京大学, 医学研究所, 教授 (10107055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刈米 アイ 東京大学, 医学研究所, 教務職員 (50114450)
木梨 達雄 京都大学, 医学研究所, 教授 (30202039)
高木 智 東京大学, 医学研究所, 助教授 (10242116)
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Keywords | CD38 / IL-5 / CD40 / Blimp-1 / stat5 / IL-4 / DNA組み換え |
Research Abstract |
抗原特異性は抗体分子の可変部領域遺伝子の体細胞突然変異で惹起され、抗体のアイソタイプはIgH遺伝子の再構成(スイッチ組み替え)により起こる。 近年、B細胞のスイッチ組み替えにCD40/CD40リガンド(CD40L)とサイトカインが重要であることが示されている。しかし、胚中心外のB細胞はCD40/CD40Lを介さないでスイッチ組み替えするとの報告もあり、CD40以外の免疫機能分子とサイトカインによるスイッチ組み替え機構の解明が急がれている。IL-5はB細胞分化誘導因子であるが、IgHクラス変換を惹起しないと考えられてきた。最近、我々はIL-5が抗CD38抗体で刺激されたB細胞にIgG1産生を惹起することを示した。本研究は、B細胞分化、とりわけIgH遺伝子の組み替えがどのような機構で制御されているか、CD38とサイトカインで刺激されたB細胞を用いて明らかにすることを目的としている。 平成11年度の研究は、当初の計画に基づき順調に進んでいる。 (1) sIgD陽性の脾臓B細胞を抗CD38抗体、CS/2とIL-5で刺激するとIgG1の産生が誘導されるが、IgA産生は見られない。しかし、腹腔内B細胞をCS/2とIL-5で刺激するとIgG1のみならずIgA産生が見られることがわかった。このことより、B細胞の局在する解剖学的な部位により、B細胞のIgA産生誘導シグナルが異なることがわかった。 (2) sIgD+ B細胞を抗CD40抗体とIL-5で刺激するとIgG1抗体産生が惹起されるが、そのシステムでIL-5によりμ鎖からγ1鎖への遺伝子組み替えが惹起されること、IL-5刺激でBlimp-1の発現が見られることを示した。一方抗CD40とIL-4刺激で誘導されるμ鎖からγ1鎖への遺伝子組み替えが惹起されること、IL-5刺激でBlimp-1の発現が見られることを示した。一方抗CD40抗体とIL-4刺激で誘導されるμ鎖からγ1鎖への遺伝子組み替えとIgG1産生にはBlimp-1の発現増強は伴わないことを初めて示した。 (3) B細胞の増殖や分化を制御するIL-5Rα鎖の細胞内の機能ドメインを決定するため、IL-5Rα鎖遺伝子欠損マウスに野生型および変異IL-5Rα鎖(細胞内のドメインに欠失領域を挿入)遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作製し、初期の解析を始めた。その結果、IL-5Rα鎖細胞内のC-末端側を欠失するとμ鎖からγ1鎖への遺伝子組み替えが惹起されないことを初めて示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "Distinctive roles of Fyn and Lyn in IgD- and IgM-mediated signal"Int.Immunol.. 11. 1441-1449 (1999)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "IgG1 production by IgD+ splenic B cells and peritoneal B-1 cells in response to IL-5 and CD38 ligation"Int.Immunol.. 11. 915-923 (1999)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "Interleukin-5 induces IgG1 Isotype Switch Recombination in mouse CD38-Activated slgD-Positive B Lymphocytes"J.Immunol.. 162. 2812-2819 (1999)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "Regulated adhesion by modulating affinity and subcellular localization of integrin VLA-5(α5β1)in mast cells"J.Immunol. 162. 2812-2819 (1999)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "Both Stat5a and Stat5b are required for antigen-induced eosinophil and T cell recruitment into the issue"Blood. (in press). (2000)
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[Publications] Takatsu K.,et al.: "Requirement of interleukin-5 for induction of autoimmune hemolytic anemia in the anti-red blood cell autoantibody transgenic mice"Int.Immunol. 11. 995-1000 (1999)